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コッポラの胡蝶の夢
2008年8月30日公開

コッポラの胡蝶の夢

YOUTH WITHOUT YOUTH

1242008年8月30日公開

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3.0

コッポラが描く幻想的な世界

巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の約10年の新作はルーマニアの幻想文学の映像化です。何とも言えない摩訶不思議な世界に我々観客を連れて行ってくれます。 人生に絶望した老人ドミニク(ティム・ロス)は自殺をする寸前、落雷に直撃される。奇跡的に助かったドミニクは若々しい肉体と頭脳を持って蘇生する。 70歳の老人だったドミニクは30代の肉体に若返り、今まで研究していながら未完だった言語の始原を探る研究をする。ドミニクの奇跡的な回復に興味を持つヒトラーの部下から逃げ、スイスに亡命する。そして終戦。ドミニクはある日、山で昔の恋人そっくりの美女に出会う。そこからドラマは意外な方向へ進んでいく・・・・・。 つかみどころが難しい作品です。一言で言ってしまえば荒唐無稽な物語です。しかし、映画のマジックのようなもので、嘘っぽさをまったく感じず映画の中に入りこめます。ここがコッポラの凄いところだと思います。人生をやり直すことが出来るようになった主人公の第二の人生を波乱万丈に描き、本来なら存在していない時代を彼は旅するように生きていきます。その途中に出会った美しい女性とのラブロマンス。そしてこの旅の終着点へ物語は進んでいきます。この幻想的な物語から何を受け取ればいいのか?少し悩んでしまう作品です。落雷に直撃されずに、そのまま命を失っていたらこの奇妙な人生は送れなかった主人公。命というものは最後の最後まで全うすることが人間の宿命と言いたかったのかもしれません。難しいです。 コッポラの演出は見事です。内容はかなり文学的ですが、それを見事に映像にしました。ただ、メッセージがかなり複雑でテーマも重い作品ですので、よほどの通の人にしかオススメするのは少し厳しいかなと思いました。でも、悪い作品ではありません。

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