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この自由な世界で (2007)

IT'S A FREE WORLD...

監督
ケン・ローチ
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3.94 / 評価:160件

母が母であることを忘れる自由などはない。

  • 百兵映 さん
  • 2018年6月4日 21時51分
  • 閲覧数 392
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 この女性はよろしくない。情状酌量の余地なし。確かに、社会の構造が歪んでいるし民心は荒んでいるのだから、弱者社会の中からこういう強い女性が出てきても悪くはない。しかし、強く生きるということは悪く生きるということ同じではあるまい。

 彼女・アンジーの罪状
 ・母親であることを忘れて(放棄して)、子どもを顧みない罪。
 ・自分も弱者であることを忘れて(裏切って)、更なる弱者を甚振る罪。

 ケン・ローチ氏の映画であるから、弱者が更なる弱者を……がメインの視点であろうけど、私的には、母親であることを……の方に目が行って、気分が滅入る。

 労働弱者や移民差別の問題は、これから何作も拝見するであろう同監督作品から教えられることが多いようだから、それはそれで学ばせてもらう。本作のアンジーが反面教師となって教えてくれるのは、母親不在(逃亡?)による家庭崩壊の問題だ。これは英国のような階級社会とか移民社会でなくても、そしてまた貧困家庭でなくても、どこの国のどこの社会でも共通する現代社会の問題点だ。

 原題は『It's a Free World...』。シングルマザーであるアンジーも、実はすでに十分Free World で、freeな生活ができているではないか。この上どんな自由を欲っするというのか。自由の履き違い、人のせいの言い訳、際限のない欲望、……。……、いやいや、この女性にはそういう話ができる望みはない。1人息子のジェイミー君には気の毒だが、どうにもならない。

 こういう不幸な家族や子どもたちが、実際には数えきれないほど居るんだよね。それをそのままに描写した映画。少しは希望を持たせる終わり方をすれば良さそうなものだが、ケン・ローチ監督はそういうのを好まないようだ。いいんじゃないかな、どういう終わり方をしようと、それまた監督の自由なのだから。

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