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ラスト・ブラッド (2008)

BLOOD: THE LAST VAMPIRE

監督
クリス・ナオン
  • みたいムービー 150
  • みたログ 653

2.70 / 評価:316件

美的映像世界

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2017年10月1日 0時51分
  • 閲覧数 1405
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

 大好きな映画です。で、どこが好きなのか書きます。

 この映画、全部どっかで「ちぐはぐ」です。もちろん、全部「わざと」です。日本のはずなのに中華街か香港あたりの雰囲気満点の盛り場の映像。もっとリアルに見せるCGの技術はもちろんあるくせに、わざと特殊メイクの怪物に、明らかに細引き縄でつるして空中を飛ばしてる格闘シーン。スローモーションで挿入される飛び散る血は液体感ゼロのかたまりが飛んでる。CIAのエージェントはバンバン拳銃やライフルを使ってるのに、ヒロインとオニとの戦いでは断固として飛び道具や爆弾は使わずに刀で斬りあう。アメリカ人学校への転校生がセーラー服着てるし、学校の外でも、オニと戦う時まで、まとわりついでさぞかし動きづらいだろうセーラー服とお下げ髪を頑固に貫く。カトウとサヤの会話はちゃんと日本語なのに、最後のオニゲン(小雪さん)との決闘では2人とも日本人(という設定)のはずなのに英語でしゃべりあってる。両方ともわずかに外国人なまりの入った英語で。

 書ききれませんが、これらの「ちぐはぐ」は全部、監督の美的センスの産物です。これは、ストーリー展開にハラハラするとか、アクションの派手さにわくわくするとか、そういう映画じゃありません。これをアクション映画として見たら、最後の一番肝心なオニゲンとの戦いにアクションがほとんどないのは不満でしょう。しかし、小雪さんの幽女的な美しさをかもし出すためには、彼女は派手に立ち回っちゃ駄目なんです。ふわーっと実体なく浮かんでないといけない。

 これは全体がひとつの「映像世界」です。上に書いたちぐはぐさも、その「ずれ」がかもし出す雰囲気が、映像世界のかっこよさに貢献するために、意図的に作り出されているものです。そういう演出が、見事に成功していると私は思います。

 だから私はこれを、ストーリーの細かい部分を逐一理解しようなどとせずに、「かっこいいなあ」とほれぼれしながら映像世界の中にどっぷり浸かって見る映画として、好きなんです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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