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ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2008)

THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

監督
デヴィッド・フィンチャー
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3.68 / 評価:3,514件

解説

F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説を『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが映画化した感動巨編。第一次世界大戦時から21世紀に至るまでのニューオリンズを舞台に、80代で生まれ、徐々に若返っていく男の数奇な運命が描かれる。主人公のベンジャミン・バトンを演じるのはフィンチャー監督作に3度目の主演となるブラッド・ピット。共演は『バベル』でもブラッドと顔を合わせたケイト・ブランシェット。誰とも違う人生の旅路を歩む、ベンジャミン・バトンの運命の行方に注目だ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved
(C)2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved

「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」後戻りできない人生を歩む私たちの願いの結晶

 老人として生まれた子供が、成長するにつれ若返り、赤ん坊として死ぬ。そんなとんでもない主人公の設定はすでに映画を見る前から広く伝わっていると思う。だがこれはホラー映画ではないわけだから、そこから生まれるさまざまな人生の問題と物語を、私たちは見ることになる。

 切ないのは、子供の戦死を嘆き悲しむ時計職人が逆回りする時計を作ってしまったという、映画の冒頭に収められたエピソードがあるからだ。誰もが後戻りできない現実を生きている。いくら時計が逆回転したところで、その職人は息子を取り戻すことができるわけではないし、誰も過去をやり直せない。もちろん、老人から生まれて子供になるという逆戻りの人生を歩んだとしても……。

 人間は前向きに進むことしかできない。だから主人公たちの年齢の変化がCGで鮮明に処理されていくとき、そのリアルさとそれゆえの不自然さに心底ドキドキしてしまう。そこに映っているのは生身の人間(俳優)ではなく、後戻りできない人生を歩む私たちの愛と悲しみと痛みが作り出した私たちの姿そのものではないかと、そんなふうに思えてくるのである。つまりそれこそ人類の願いの結晶であり夢のかけら。それを見ることで私たちは、この人生の痛みをある愛おしさとともに受け入れることができるようになる。そう、それこそ私たちが「物語」を必要とする理由だろう。(樋口泰人)

映画.com(外部リンク)

2009年1月29日 更新

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