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ベティの小さな秘密
2008年9月20日公開

ベティの小さな秘密

JE M'APPELLE ELISABETH/CALL ME ELISABETH

902008年9月20日公開

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5.0

ネタバレ【秀作】真直ぐな瞳と健気(けなげ)さと

ベティは10歳の女の子。 本当はエリザベスって名前なんだけど、みんなはベティって愛称で呼びます。 パパは大きな精神病院の院長さんで、ベティのお家はその病院の敷地と隣接しています。 ベティは真っ直ぐな瞳を持つとても可愛い女の子。ちょっぴり感受性が強いけど、素直で人の言うことをすぐ信じるから男友達の悪戯にもだまされちゃうけど、でもとっても健気(けなげ)でやさしい心を持っています。 保健所の檻の中に居る犬の「ナッツ」はこのままだと安楽死させられちゃうの。だからベティが守ってあげるの。パパに頼んで引き取ってもらうんだ。パパは大型犬はだめだって言ってるけど、きっと説得して見せる・・。 ベティはずっとお姉ちゃんと一緒に育ってきたのに、お姉ちゃんは学校の寄宿舎で生活するために家を出ちゃったの。だから一人ぼっちでとっても不安です。 パパとママは最近夜になると喧嘩ばかりしてるの・・。夜一人で寝てると、毎日毎日パパとママの言い争いの声・・。ママは家を出て帰ってこないって言ってた・・。本当に帰ってこないのかなあ・・。とっても不安です。 そんなベティに小さな秘密ができました。 ある日となりの精神病院から逃げてきた青年イヴォンと出会ったベティは、彼を庭の納屋の中に匿(かくま)います。 イヴォンはいつも頭をかかえてぶるぶる震えてるの。怖いのかな。それに言葉もほとんどしゃべれないみたいなの。だから、ベティが守ってあげる。 パパやママの目を盗んで、イヴォンのために納屋に食べ物や毛布やパパのセーターを運ぶベティ・・。そしてベティの心にはほのかな恋心が芽生えますが・・・。 ・・・。 このお話はそんな少女ベティの健気な奮闘と心の成長をやさしいタッチで描き出す秀作です。 とにかくベティ役の女の子がすごく演技が上手で、かつとても可愛いんです。素なのか演技なのか、役柄に非常にマッチした確かな演技力は素晴らしいものがあります。 不安な表情、生き生きとした表情、そしてイヴォンと接するときの恋する少女の表情、深くて真っ直ぐなその瞳に魅了されてしまいます。 このベティが、パパとママのことなどで傷つきながらも、精神病院から逃げてきたイヴォン青年を、そして安楽死寸前の犬のナッツを健気に守ろうと奮闘する姿がこの上なく微笑ましい! 真っ直ぐな少女ベティの健気さが伝わったかのように、イヴォンもベティに対しては穏やかな反応を示します。おそらくうつ病か不安性の精神障害を抱えた青年イヴォンを演じた役者さんも非常に演技が素晴らしく、この2人の関係性がとても良かった。ちょっぴり不思議であり、かつなんともやさしい空気を醸し出しており、とても微笑ましかったです。 そして、まるでジブリの作品を実写化したかのような美しい映像も出色です。フランスの農村の牧歌的な風景、鮮やかな緑の山々と森、そこに建つ古い洋館・・。 パンフレットにはジブリ作品のインスピレーションも参考にしたとの記述がありましたが、美しい映像美とちょっぴり不思議な空気感と、そして少女の心の成長をやさしいタッチで描き出すそのテイストはまさしく実写版ジブリ作品の様でもありました。 ・・・。 期待に違わぬとても良い作品でした。観終わった後に心の中をほかほかさせてくれるその脚本もgoodです。 安心して子供に見せることができる作品なので、私の娘がもう少し大きくなったら是非見せたいですね。 文句無く★4つというところですが、ベティがあまりにも可愛いかったので満点です(笑)

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