2008年10月18日公開

ボーダータウン 報道されない殺人者

BORDERTOWN

1122008年10月18日公開
ボーダータウン 報道されない殺人者
3.8

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(77件)


  • dkf********

    4.0

    この物語の先はトランプの壁へと続く

    いわゆる「ボーダーもの」の一本になるが、米国〜メキシコ国境で何が起こっているのかを曝け出した実話ベースの衝撃作でもある。 制作過程で監督に様々な圧力や脅迫があったというから、この事実を映画にされてはまずい人間や組織があったのだろう。 メキシコ人労働者はただの捨て石で人権などないに等しく、生きるために彼らは命を懸けて米国国境を目指すしかない。本作は2007年の映画だが、この物語の先はつまり今のトランプ大統領の国境の壁に繋がっているわけだ。なるほど、事実を知られてはまずい話がいろいろありそうなのもうなずける。 こんなシリアスなストーリーでジェニファー・ロペスが思いの外しっかり演技しているし、アントニオ・バンデラスが色男キャラを一切封印して、ストイックないい人役を演じているのはかなり新鮮だった。 企画、脚本も手掛けた監督のグレゴリー・ナヴァはメキシコ系で、両親がメキシコから国境を超えてきた移民だったというから、これはまさしく自らの出自そのもの。本作を監督するのは必然だったかもしれない。 この人、本作ではなかなかの力量を見せてくれたが、この後10年以上も全く作品を発表していないようだ。まさか例の圧力に屈し、完全に活動の場を閉ざされたわけではあるまいが… テーマは社会派でも程良い娯楽味もあるし、ジェンというハリウッドスターも出ているので、決して敷居は高くない。十分観る価値のある隠れた良作だ。

  • chi********

    5.0

    社会派サスペンス

    ◇◇あらすじ◇◇ 犠牲者5000人とも言われる実話に基づいた社会派サスペンス。 メキシコで実際に起こったという未解決事件をもとに、 猟奇犯罪の解明に挑むヒロインの苦闘と、その社会的な背景を描く。 主演はプロデューサーも兼任するジェニファー・ロペス。 共演に「レジェンド・オブ・ゾロ」のアントニオ・バンデラス、 「ディパーテッド」のマーティン・シーンら。 評価は星5つ! これは見入りました。 重いテーマだけに、じっくりみてもらいたいです。

  • esp********

    5.0

    報道してほしい

    この映画・・・・かなり衝撃的でした・・・。 本当はジェニファー・ロペスにアントニオ・バンデラス目当てぐらいの軽い気持ちで見たのですが。。 DVDの映像特典で語られている監督インタビューの内容も凄いです^^; アメリカ製作なのに、アメリカでは公開できなかったのですね・・・。 まあ、報道されないとサブタイトルにもあるぐらいですから、相当な政治的圧力があるのでしょうね。。。 この作品を私一人が見たから、知ったから何か出来るわけでもないけれど、一人でも多くこう言う事が起きていると知ることから・・・・何かが変わるのかもしれない。 そう思わずにはいられない問題作でした。 基本的に、面白いとかと言う部類に該当する映画ではないです。 クスリとも笑えるシーンは無いですし、ほぼ完全実話の社会派サスペンスドラマです。 そして、女性にとってはちょっとつらい描写もあります^^; でも、このつらさは女性にしか分からない・・・・そう、やっぱり女性の方に見ていただきたい、目を背けないでほしい問題です。 ある程度、法がしっかりしていて平和ボケした日本人には・・・・国境が陸続きではない日本人には、本質理解することは出来ないかもしれないけれど、知ること・伝えることぐらいはできるはず。 アメリカでは公開されなかった本作が、日本で公開に至った経緯は良く分かりませんが、よくぞ日本で公開してくれましたね^^ この映画の問題の土地メキシコでは、映画館で上映中に銃弾まで撃ち込まれたとか・・・。 それにしても、アメリカとの国境地帯にあるメキシコのフアレスと言う街は恐ろしいですね^^; 弱者に対しては警察も政治家も誰も守ってくれないどころかむしろ加害者・・・無法地帯w 全て富裕層のやりたい放題の街で、残念ながら映画では描かれていませんが、日本の富裕層(企業)もその街の恩恵を受けてるようですね^^; そんな街で強制的に働かされている人が、今現在でもかなりの人がいると言うことらしいです・・・。 ほとんど人権なんて無いという話ですからね・・・。 そして、女性はレイプされ、殺され・・・・まるでゴミのように大量の死体が見つかっても犯人は裁かれない。。 こんなことが普通にまかり通っているし、いまだに何も手がつけられていないようです>< 報道もされなければ、警察も動かない・・・・こんな理不尽で後味が悪くて胸くそ悪くなることが現実に起きているのです。。 映画化に当たって、監督やスタッフやキャストも脅迫されたり拉致されたりと大変だったようですが、がんばって映画化にこぎ付けたことに賞賛を贈りたいですね☆ これが実話でなければ、なんか極端な話で作りすぎで後味悪くて嫌な物を見たな~・・・ぐらいでしたが、スタッフが潜入取材して得たと言うぐらいの完全実話と言うんですから驚きました! 主演のジェニファー・ロペス演じるローレンは最初はキャリア志向の記者でしたが、この現状を目の当たりにしてこの事件を解明しようと躍起になって行動します。 最初はそんなキャリア志向の人間が、大げさに変わるものか?と穿った見方しかできませんでしたが・・・見終わって納得・・・人間なら、誰だってこんなことは許せません! とは言え、圧力がかかって自分の身が危なくなったらどうにもできませんよね・・・・ましてや警察や国が犯罪者の味方なのですから・・・。 本当にもどかしい気持ちになる、憤りを感じる映画でした。 ただ、映画的に後味が悪くならないラスト・・・良かったです^^ 5000人以上の女性が行方不明なのに、何もされないってどうなってるのでしょう? くだらない芸能人のニュースは報道されるのに、日本でもこの件はまったく報道されて無いのは何か圧力が・・・? この映画も、それほど大々的にプロモーション活動はされなかったのも何かあるのでしょうね^^;

  • gar********

    4.0

    あちゃー日本企業の暗部が(汗)

    そんなこと言ってちゃいけませんね。こんな痛ましい事件が日常な国がある、寧ろそれが普通だと日本人は知るべきです。 多くの方がこの事件に関してのレビューを書いてらっしゃると思いますのでタイトルにもある別な角度から。 実は日本人自身があまり知らない事実として「日本企業は滅茶苦茶金にがめつい」という海外での日本像があります。 この映画でも取り上げていますが人件費を安くするため、税金払わないように済ませるために日本企業って結構アコギなことしてるんですよ。 人件費の節減の為という事ならどこの国の企業もしているので特に問題ないし、それで新興国や途上国が潤うのならそれはお互い問題ないですよね。 しかしそのお金がどう使われているかというのが非常に問題です。 日系企業が雇用した労働者に対してドケチ、渋チンだというのはとても有名な話です。 途上国や新興国に進出する企業、特に先進国からの進出に関しては途上国側より少し高い給与平均を設定するのが通常であり、そしてベネフィット(福利厚生)なんかもしっかりしている。程度の差はあれそれが普通だし、それが先進国側の「プライド」で有ったりもするわけです。つまり「尊敬」「敬意」を買うわけです。 しかし日本企業は違います。そんなプライドなんか糞食らえです(笑)ガッツリ下げます(笑)ヘタすると平均以下まで下げます。ベネフィットもありません。 もちろん全部がそうではありません。良心的な企業もあります。 しかし実体としてこのような現実があります。 日本の某自動車メーカーがアメリカ進出を計画しました。 かつてデトロイトといえば世界の自動車産業の聖地であった。 そしてそこに起業することが外国メーカーには一つの夢であり、またそれが企業自身のメーカーとしての誇りを鼓舞することにも繋がる。 だが日本の企業は最初から南部を狙います。それはなぜか?南部は組合がうるさくないからです(笑) 確かに利口だし、したたかといえばそうとも言える。 強豪ひしめく中で戦うためには、新参者は奇策をとることも時には必要でしょう。 しかしそれも程度によりけりだと思います。 かつてジャパン・バッシングがひどかった頃のアメリカでの日系企業での背景にはこのような部分もあった。 今中国では更に悪質なOEM(下請け)という形に見せかけ、賃金面でも収入平均より低い金額で雇い、中国は残業代が支払われないのが通常なのをいいことに残業代なし(この中国の体質自体大問題だと思いますが(笑))、ベネフィットなんか当然無い、こんな日系企業が相当あるという事実です。 それでお金の使い道として力点は所謂賄賂です。 日本企業側はそれで政治家、有力者を取り込んでるつもりでも、敵はもっとしたたか、取り込んでるつもりが反対に取り込まれてしまい、結局売国と呼ばれてもいたし方ない某大使さんなんか出てきてしまうわけです(笑) 私は共産主義者でもなければリベラリストでもないし、権利がどうのこうのと声を荒らげるつもりは実際はないですが(日本は他国に比べ恵まれているという現実もあるでしょうが)、こんなことしてりゃそりゃ銭ゲバ、守銭奴、ドケチなんて言われたってしゃあないと思いますよ(笑) 日本企業は本当に大きくなった。不景気とは言え日本自体もかつてエコノミックアニマルと呼ばれた当時よりも経済規模は確実に大きくなっている(当時は英仏と変わりない規模でドイツ(西ドイツ)より下だったが、現在は英仏足して日本と同等程度、ドイツは日本に次ぎますが相当差が有ります) いまだアメリカは最大の経済国とは言え、実際は対外借金も大きく異常なまでに格差が開いている。 いかに大きくなったとはいえ人口比で考えれば一人あたりのGDP、国としての政策やインフラ等考えれば到底日本に追いついているとは言いがたい中国。 もうこれだけ大きくなった。見方によれば世界一の経済国、世界一恵まれた国だ。なのに日系企業や日本政府の姿勢はかつての状態と変わりがない。 こんな風に映画で描かれてしまわれないように、もう少し日本の企業は雇用者としてのあり方を少し見直すべきで、もっと「人」を大切にする事にシフトするべきだと思いますよ。

  • oce********

    2.0

    焦点がぼけた映画

    メキシコの町で起きたレイプ事件。 事件を取材に来た新聞記者のローレンは被害者とともに、事件の奥深くまで潜入していく。 社会派サスペンスの様相を出しているが、前半はサスペンス一辺倒。 後半は忘れたかのように社会派が顔を出す。 その内容によりアメリカで公開されることがなかった作品だが、それには皮肉が弱い。 何よりもジェニファー・ロペスが誠実な新聞記者というのが違和感がある。 最後はハリウッド的な1対1の格闘など、問題の焦点がボケてしまっているようだ。

  • tsu********

    4.0

    先進国と発展途上国の境目のひずみ

    女性のレイプ&失踪事件を切り口に、企業、国家のメキシコ労働者搾取の構図をあぶりだしていきます。 それはいいのですが、ジェニロペがはしゃぎすぎてて、ちょっと目障りなのと変質者のデビルくんのキャラとバックグラウンドがいまいちよく見えなかったのがちょっと残念です。 社会派ドラマがお好きな方にはやはり必見の星四つです。

  • ふた

    5.0

    ネタバレ強姦殺人し放題の国の現実を告発している

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • aav********

    5.0

    正義のない国 メキシコ

    ※この映画で描かれる全てのことは、 決して映画を盛り上げるために誇張して表現された演出ではない。 この15年の間(2008年現在) メキシコとアメリカの国境地帯(ボーダータウン)の町『フアレス』で殺害された女性の数は、 警察の公式発表だけでも375人。しかし実際には、 5000人以上の女性が行方不明になり、殺されている。 その女性の多くが、国境地帯の工場で働く工員だ。 工場は、この『フアレス』だけでも1000以上が建ち並び、 ほとんどの工場が毎日24時間体制で稼動していて、 アメリカへ輸出される『テレビ』や『パソコン』等を作り続けている。 国境地帯にこういった工場が多くつくられるようになった経緯は、 関税や通商規則など、通商上の障壁を取り除く『北米自由貿易協定』によって、 世界各国(日本も当然含まれる)の企業が、安い賃金でアメリカのための製品を製造し、輸出するため。 工場は24時間稼動しているため、 女性工員が、夜間の帰宅時、または出勤時に襲われるという事件が頻発する。 しかし、彼女達のおかげで利益を得ることのできる企業側は、そのことに全く無関心だ。 なぜなら、危険を冒してでもこの工場に働き口を求める女性があとを絶たないからに他ならない。 それだけ、メキシコの経済状況はひっ迫している・・・・・と、いうか、 政府側が税金という形で、国民から搾取しているのが現実といってもいい。 メキシコの労働女性は、政府にとっても、企業にとっても、まさに使い捨ての『捨て駒』そのものなのだ。 少女『エバ(マヤ・タパサ)』は言います。 『ここにお金はない。政府と工場が全部持っていく。お金は彼らのもの。私たちには何もない』 それでも働かなければ、稼がなければならない彼女達。 そうしなければ、また土地を奪われ、住む場所を奪われ、行き場所を失うことになる。 それでは、警察はそれにどう対処しているのか? 偽りの公式発表を見てもわかる通り、<何もしていない> が正解。 いや正確には、それらを <隠蔽> するのが彼らの仕事。 なぜなら、少女たちを保護し、犯人逮捕に力を注ぐより、 隠蔽する方が安く済むから・・・・・・・・・・ただそれだけのために、5000人以上の女性が犠牲となった。 この国に正義はない。 <政府>が、<企業>が、そして<警察>が、全て彼らの損得勘定で動いている。              【そして今日も、彼らは少女を殺している】 キャストは、シカゴからやってきた新聞記者のローレンに『ジェニファー・ロペス』 現地フアレスのエル・ソル新聞社に勤める、かつてのローレンの相棒ディアスに『アントニオ・バンデラス』 そして、この物語の主役といってもいい、悪魔に襲われ、奇跡的に生還した少女エバに『マヤ・タパサ』 とにかく『ジェニファー・ロペス』が美しく、そしてカッコイイ!! 一気にファンになっちまいました。 それから『アントニオ・バンデラス』 今までのワイルドなイメージから一転!誠実で、堅実なマイホームパパな記者 しかもそれがまた、やけにしっくりいってる。ものすごく新鮮です! 実話ベースの社会派サスペンスドラマとしては『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』と並ぶ傑作 ただ、ラストの衝撃には期待しないで。この映画にあれほどの大どんでん返しはありません。 でも、メッセージ性においては全く見劣りはしていません。確実に心に響いてきます。 それからこの映画をDVDで観たのなら、特典映像の『監督インタビュー』は見ておいたほうがいい。 この物語が真実であるということを、実感させられます。

  • ali********

    4.0

    観るべきかもしれませんが、気が重くなる

    日本でも犯罪が起こり悪徳政治家がいるが、地域全体がそれに支配される話は、ショッキングだ。しかし、先進国以外で、貧困、警察行政の弱さなどの原因があれば、起こっても不思議でない。 そこに、メキシコという国の文化がどう作用するのかも、知りたい気がする。聞きかじりでは、中世スペインはアラブの支配の影響を受け、そこから脱したスペインが植民地にしたラテンアメリカ(ベリーズ、ギアナ、ブラジルなどを除く)では、先住民への厳しい支配、大土地所有、男性中心のマッチョな文化が特徴であるとか。さらに、アメリカ合衆国の経済支配によって、格差と貧困が広がるのだという説もあるが、正直よく分からない。 同じ中南米でも、国によって違うという話を聞く。お隣同士でも、ハイチとドミニカ、ニカラグアとコスタリカは、社会状況に雲泥の差があるとか。チリは、1970~80年代、映画『ミッシング』に描かれた軍事独裁体制だったが、民主化に成功し、今や経済成長で世界にワインやサーモンを輸出して信頼感がある。 人の運命を左右する社会や文化というのは、本当にどうなるかわからないものだ。 普通のアクション、サスペンス映画は、主人公がなぜかうまく助かったりするのだが、この映画が現実に基づいているとすれば、相当恐ろしい内容が展開するのではないでしょうか。

  • mit********

    3.0

    裕福層による女性蔑視に疑問

    最近の報道でも、インドで女性をレイプし殺害して放置する事件が多発していることが話題になっていたが、この映画の一番の特徴は、そのような事件が裕福層が産み出した社会の歪だと主張していることだと思う。 簡単にいうと女性蔑視になるが、私はそれ自体を否定する気はないが、単純に裕福層は女性蔑視という構図を描くことには反対だ。先述したインドもそうだし、欧米諸国と日本を除く多くの国で女性蔑視の傾向が強いことは否めないが、それは裕福層によるものではなく、もっと大きな文化的要因、文明的要因があるのだと思う。 この映画のように、個別のケースでは裕福層による女性蔑視是認があるかもしれないが、私はそこに焦点を当てるよりも、文化的要因、文明的要因に焦点を当てるべきではないかと思う。そうしないと根本的な解決に至らないのではないか。

  • takaさん

    3.0

    事実よりもドラマチック

    実際におきたことをもとに作られた実話みたいだけど ジェニファーロペス演じる記者は明らかにドラマ仕立てで作られています。 実際にこの街で起きてることは事実みたいです。 女性従業員が性的暴力や殺人がおきてるのも。 だが、怖いというよりはサスペンスに近いので これドキュメンタリーにしたほうがよかったと見終わった後わかりましたね。

  • sea********

    5.0

    無法地帯-先進国の罪と途上国の影

    まずは、この骨太な映画を作った製作陣・出演者を称えたい。 特に、リスクや危険の大きかったであろう、主演・共同製作を務めたジェニファー・ロペスには、このような重い問題を扱った社会派作品に携わった事に拍手を送りたい。 (当たり前すぎる事だが)彼女のようなラテン系アメリカ人が主人公を演じる事は大きな意義がある。 ひとつにはリアリティーの問題、もうひとつは(白人至上主義)人種問題。 もし、ジョン・ウェインの頃の映画だったら、白人のヒーローが、哀れな有色人種を、これまた同胞の卑しい有色人種から救うという作品になっていた筈であるからだ。 また、演技もジェニファー・ロペスもアントニオ・バンデラスもタフな人物を見事に体現出来ていたと思う。 こういった弱者(この作品の場合は経済的に貧しいこと、女性であること)が犠牲となり、彼らを保護する筈の警察や政府が役目を果たさないどころか、国家権力をかさにして、いろいろな形で社会的に弱い者から略奪行為を働くというのは、程度やその種類の差こそあれ、どこの発展途上国でも起きている事であろう。 だが、本作で取り上げた問題が(他の国々の問題の中でも)異質であるとすれば、世界で唯一の大国であり、世界一の経済力および軍事力を持つ(自由や正義、人権擁護を標榜する)アメリカによる問題である事だと言える。 この映画のような問題を引き起こす歪んだシステムは、需要があってこそ、初めて供給が生まれる。 つまり、発展途上国(本作ではメキシコ)の側にも非はあるが、悪いのは資本主義の自由の名の下、拝金主義に塗れた先進国(この映画ではアメリカ)の方だという事である。 この映画を観て、初めて映画で描かれている様な事件を知って、自分の無知さ加減に正直なところ幻滅もした。 だが、映画パンフをパラパラ読んだところ、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんでさえ、この作品をご覧になるまで、この映画で取り上げられている問題をご存じなかったそうだから、私などが知る由も無かったのも当然といえば当然で、そこに(活字と同じ様に) 映画というメディアの持つ力の強さを痛感させられる(勿論、これも諸刃の剣で、使い方ひとつでとんでもない事になるのは、(あまり良い例えではないが)第二次世界大戦時ナチスの台頭を許した事でも、火の目を見るより明らかだが)。 本作は派手さや華やかさとは一切、縁のない作品だが、(映画のため多少脚色があるかもしれないにしろ)蛮刀で頭を一撃された様な衝撃度と丁寧に作られた綿密さを併せ持つ、問題作であり傑作であると言えよう。 FTAについて、 映画プログラムをめくっていると、NAFTAが一元的な視点で描写され、批判されている。 が、かつて、建設機械(クレーンやショベルといった重機)メーカーで海外に販売していた経験から(貿易というものに携わっていた事から) FTA(自由貿易協定)について、 誤解を招かねないので、述べさせて頂く。 この作品で描かれているような事件は断じて許されない行為で、現在でも犯罪者が野放しにされているのであれば断罪されて然るべきであるし、断固とした姿勢でシステム自体をゼロベースから改善するのが当然であろう(勿論、政・財・官 によってである)。 ただ、それで、“FTA=悪”という考えはいささか短絡的だと申し上げたい。 私も不勉強だが、世界で一番自由貿易が進化しているのはEU圏であろう。 乱暴な物言いだが、もし仮に、現在のEUとかつてのECと比較して、どちらが人々に幸福をもたらすかと言えば、間違いなくEUの方であろう。 勿論EUになったことで、諸問題も数多存在するだろうが、何事も負の側面を持つものである(それが正しいとかしょうがないと言っている訳ではない)。 もっと身近で簡単に言えば、例えば、JICA。 世界中の困っている人々の手助けをする(日本の)国際協力機構。 現場で任務を遂行されているスタッフの方々には、本当に頭が下がる思いがする。 だが、JICAで使われているお金が無駄なく困っている人々のためにだけ使われているかといえば、到底そうとは思えない。 前述のように、建設機械メーカーに勤務していた時期、JICA向けに見積もりを作成した事があるが、妙な制約が多かった事をよく憶えている。 まず、お客様としてはJICA向けの見積書を作る訳だが、実際に提出するのは、JICAの下請けの団体。 しかも、かつての勤務先(メーカー)の直接の売り先は商社さんで、商社さんと先程の下請けの団体の間に2~3つのよく分からない団体が仲介して、それぞれがマージンを取る。 百歩譲って、コーディネーターが必要なことを認めたとしても、何故、2つも3つも(私が勝手に思っているのだが)官僚の天下り先としか考えられない団体に、薄給から徴収されている血税といっていい税金が使われるのか大いに疑問である。 要するに負の面とはこういう事だ。ここで字数制限、断念。

  • xbd********

    5.0

    ネタバレその裏側にある真実。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • nsa********

    3.0

    ミステリーではなく、ドキュメンタリー

    連続殺人!とあったので「ミステリーか!」と 早とちりして観にいってしまったが、 あまりにリアルで暴力的かつ深刻な内容にビックリしてしまった。 メキシコで起こる連続女性殺人事件、 それを追う女性新聞記者の秩序無き街と政治的圧力との戦い...。 毎日、誰かが殺される、しかし警察は何もしないといった 深刻で恐ろしい内容に身震いがします。 だからといって、何かできるわけではなく、 小市民はいつも犠牲になるだけなのか、と 憤りと無力さが交錯する問題作でした。 この映画で今メキシコで何が起きているかを知る人は多いでしょう。 考えたくはないですが、メキシコだけでなく、全世界の貧しい町で 同じことが起きているのだろうと想像してしまいます。 富裕層が政治を動かし、自分達だけに都合のよい法律を作るのは、 何も貧困な国だけではないのですが...。 ジェニファー・ロペスとアントニオ・パンデラスといったヒスパニック系を キャスティングしたので、リアル感はありましたが エンターテイメント作品ではないので楽しみたい人にはすすめません。

  • ミッキー

    5.0

    私はフアレスに住んだことがあります。

    私の父がメキシコ人なので、私もメキシコで暮らしたことがあります。 あれはまだ、4歳くらいのときか。 メキシコのフアレスで暮らしていました。 この映画を見るまで知らなかったのですが、私が住んでいた地域は高級住宅地だったそうです。 どうりで数年暮らしても、映画のような汚い街の光景に遭遇しなかったわけだ。 それでも、一回両親不在時に、誰かが外から鍵をこじ開けてきたときがありました。 私は全ての鍵をかけてあるか確認し、電話で警察と親を呼びました。 母は近所にいたのですぐに飛んできてくれました。 あの体験は本当に怖くて印象的でした。 さて、映画の内容ですが、許せないの感情が終始涌き、主人公(ジェニファー・ロペス)に共感できる内容でした。 民主主義が当たり前の世の中で、こんなにも罪のない女性たちが殺されているなんて。 そして、政府は逮捕どころか捜査もせずに、事件を隠蔽する。 資本主義が産んだ強欲さが私たちの手の届かないところで人々の命を奪っているのです。 アントニオ・バンデラスもいつもと異なった風貌と真実を伝えようとするジャーナリズム魂があり、素敵でした。 この映画是非、多くの人に見てほしいです。 特に女性はこういう現実があるということを知ってほしいです。

  • fur********

    4.0

    これが現実に起きているとは・・・

    日本が裕福なのは、この映画のような犠牲があって成り立っている のかもしれないと思うとショックでした。 多くの女性が殺害されているのに、それを隠そうとする政府に怒り を覚えます。 国の発展のためなら、国民が犠牲になるのもしかたがないのでしょうか? J.Loはラブコメのイメージがありましたが、この映画では正義のために 奮闘する姿が良かったです。

  • mun********

    4.0

    ディアス「君の命が心配なんだ」

    メキシコってどんな国?と問われると思い浮かんでくるキーワードしとして、 タコス、サボテン、砂漠、時折ドキュメント番組で報道されるアメリカへの不法入国。 この映画の中で、自分の知らない「メキシコ」の実態を目の当たりにしました。 国全体が、殺人を黙認していてそれを浮き彫りにしようとすればもみ消す。 本当に恐ろしい社会です。 故に、いかに日本が恵まれた環境なのかが分かります。 事実を元にして作られているので内容についてはとやかく言いませんが、 映画としての観点からみると、面白くはないです。 静かな場面が多いので、ちょっと退屈してしまうかもしれません。 ですが、ジャニファー・ロペスとアントニオ・バンデラスの演技は素晴らしいです。 決して娯楽映画ではないですが、見てみる価値はあると思います。

  • gam********

    4.0

    衝撃的

    実話をもとにした映画は好きなので観ました。 ストーリーに興味をそそられました。 ストーリー メキシコとアメリカの国境の町フアレスで起こっている女性の連続殺人の 取材に向かったローレン。 現地で新聞社を経営する元同僚のディアスと共に事件の真相を探るのである。 だが、その事件は汚職にまみれた権力者たちにもみ消されようとするのであった。 衝撃的な映画でした。 この話が実話だということが恐ろしく思いました。 殺害した女性をまるでゴミのように扱う様は何とも言えませんでした。 現地で危ない目にあいながらも真実を伝えようとしていたディアスは とても勇敢だと思いました。 この話を映画化したのは凄いと思います。 いい映画を観たと思いました。

  • pum********

    4.0

    "知る"という意味

    本作は、メキシコの国境の町・フアレスで実際起きている大量殺人事件について、 その事実をバックグラウンドとした、創作の物語。 まず最初に映画としての感想を。 事実をバックボーンにしてる割には、創作部分というか、変にドラマ性をつけ加え過ぎて、 ドキュメントよりはエンタメという方の色が濃くなってしまいました。 これは個人的に残念な部分でした。 所々、この創作部分が邪魔して、バックボーンの事実が薄らいでしまっている気がします。 映画の題材としては重いのですが、題材ほど重みを感じない物語と言うのでしょうか。 個人的には結構失点と言っていい物語で、事実というバックボーンが無ければ★3キッカリといったところ。 事実の重さを踏まえて、それを知った映画という重要性を加味して★4と。 さて、次は本作のバックボーンの話。 10年間で500人もの女性が強姦の上に殺害され、数千人の女性が行方不明。 人権団体の抗議にも腐敗した警察は動かず、事実は隠蔽され続けている。 これがフアレス一帯で現在進行形で起きているとされる実情だそうだ。 ここ数年、企業のグローバル化が進み、下流工程を賃金の安い海外に任せるケースが増えているが、 フアレス一帯はそんな海外資本の工場地帯だそうだ。 働くのは地元の貧困層の女性で、低賃金で過酷な労働を強いられ、 また、地元の治安も悪く、特に彼女たちの住む貧民街は賑わいからは離れた場所にあり、 その帰路の危険性は、日本人である私たちには想像も出来ない。 メキシコの治安の悪さは日本にいても聞こえてくるが、 我々の想像している以上のものがあると、認識するべきなのかもしれない。 メキシコでは、届け出があるだけで年間400人以上が誘拐されており、 実質数は3倍を超えると言われている。誘拐発生率は世界第三位。 それほど貧富の差が激しく、治安が悪い国と言えるが、 もう一つ言えるのは、警察というものが殆ど機能していない国と言える。 その原因は貧富の差による治安悪化もあるが、 何より警察の腐敗が大きい。 メキシコ警察の腐敗はこの映画だけではなく、他でも多く取り上げられるほど。 日本の新聞でも、メキシコの治安に関するニュースで、メキシコ警察の腐敗を指摘するケースもある。 メキシコはつい最近まで独裁的な政治が行われていた国だ。 その結果、貧富の差が拡大し、今日の治安悪化がある。 日本という国は、国民は文句タラタラだが、 これ程まで民主主義が浸透し、警察機構が正常に稼働し、 治安を維持し続けている国は本当に少ない。 そんな日本の物差しで、メキシコを、そしてこの事件を計る事はおそらく出来ない。 想像を超えた自体が起きていると認識するべきだろう。 5000人という数字は日本にとては余りに突飛だが、 他国と考えればあり得ない数字ではない。 アメリカのグリーンリバー沿いで起きた連続殺人事件をご存じだろうか? 私も最近になって知ったが、48人の娼婦が殺害され、 犯人自供によると、逮捕までに71人を殺害したそうだ、 事件発生が1980年代。逮捕されたのは2000年に入ってからだ。 捜査能力が高いアメリカで、これ程までの殺人が20年間止められなかったというのは、 正直信じられないが、これも事実だ。 治安の良い日本でも、届け出があるだけで年間2000件以上の強姦事件が発生している。 これも信じ難いが事実だ。 数十人強姦した男。電車内で強姦した男。少女を数年間に渡り監禁した男。 女性を監禁し、死に至らしめた男。自分の店に入店した女性を監禁し、強姦した男たち。 全て事実だ。 秩序性が高い日本でさえ起きてしまった、許し難い事実だ。 人間が、こういう黒さを持ち合わせているという事実だ。 この映画の事件を否定できない過去を、我々人間が示し、今も示し続けている。 この事件は現在進行形の事件だ。 どこかで止めなければいけない、おぞましい実情だ。 日本人とて無関係とは言えない。 フアレス近郊には、日本資本の工場もあるそうだ。 何より、そこで量産されている製品を使ってるのは誰なのか。 この異常な事態を止める唯一の手段。 それは、知る事であり、知らせる事であると思う。 これは資本主義が生んだ弊害と言えるが、資本主義だからこそ、消費者に止める力がある。 企業を動かせば、国も動かざるおえない。 そして企業を動かすには、この事件が広まり、ブランドイメージが低下する事だ。 この事件の信憑性に関しても、その過程で真実が炙り出されて来るはず。 そのためにも、まずは知り、広める事だと思う。 そうい意味でも、この映画の存在意義は大きいと言える。 実は書きたい事が一杯あり過ぎて書き足らない。 これでも大分端折ったのだけれど、それでも書き足らない。 続きはブログの方で。

  • bhy********

    5.0

    ネタバレ闇に葬られる殺人 女性たちの戦場!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
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