レビュー一覧に戻る
ブタがいた教室
2008年11月1日公開

ブタがいた教室

1092008年11月1日公開

nek********

1.0

命と向かい合うことと、関わることは違う

命と「向かい合う」のと、「関わる」のを、 担任の先生自身が一緒くたにし、本質的なものを未消化のまま豚を飼い始めたのがそもそもの間違いだと思った。 人間の唯一の救いである、心を寄せた命に対する「愛情」や「信頼」という感情を傍に寄せたまま、 所詮ご都合主義でエゴまみれの人間が「食べる」ということだけにスポットを当てて命を考えるなんて不自然な話。 先生は、 生徒たちの命と、食う目的の豚の命を 向かい合わせるのではなく、「関わらせて」しまった。 関わって心を寄せあった命を殺して食べるには、人間の本質的で大切な何かを、心で殺さないと無理だ。 戦争の時だってきっとそうだっただろう。敵の命と向かい合っただけなら撃つことはできても、敵を知り命そのものと関わってしまったら、撃つのをためらう。人間が、人間であるための大切な本分であり、豚との信頼関係が芽生えた時点で誰もが感じたであろう「この命はやっぱり守りぬきたい」という気持ちの道程を大切にしてあげてほしかった。 ペットや家畜の命は同等という意見もあるけれど、それならば自分や、自分の家族がいつクマやライオンに食べられても、命は同等だから仕方がないと言えるのか。自己や大切な人に対して愛情があるならば、きっと無理だろう。 先生は育てる大変さや大きさにこだわって、ニワトリよりも豚が良いと力説されていたが、それこそ命に対する向かい合い方に疑問を感じた。 大変さや大きさなど関係なく、多種多様な命としっかり関わり、愛おしむ気持ちが育っていれば、人間の食料のために命を落とす生き物や植物までにも、自然と心を寄せ、考えるようになっていくものだと思う。愛してしまった生き物を、特に殺す必然性も、食べなければならない理由もないのに、殺すかどうか真剣に話し合う。それによって子どもは命の何を学ぶのか、最後まで理解ができなかたった。

閲覧数1,474