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ブタがいた教室 (2008)

監督
前田哲
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3.27 / 評価:784件

解説

ドキュメンタリーとしてテレビ放映され話題を呼んだ、大阪の小学校の新任教師による実践教育を基に映画化した感動作。1年間大切に育ててきたブタを食べるかどうかで大論争を巻き起こす子どもたちの、うそ偽りのない表情にカメラが肉迫する。『涙そうそう』の妻夫木聡が教師役に初挑戦し、子どもたちと素晴らしいコラボレーションをみせる。大切な命をどうするかという結論を自らの力で出そうとする生徒たちの姿勢が、痛いほどダイレクトに伝わり心打たれる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

6年2組を担任することになった新米教師の星(妻夫木聡)は、食べることを前提として子ブタを飼うことをクラスの生徒たちに提案する。校長先生(原田美枝子)にも相談し、卒業までの1年間26人の生徒が子ブタの面倒を交代でみることになる。最初は戸惑っていた子どもたちも、“Pちゃん”と名付けた子ブタを次第にかわいがるようになり……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2008「ブタがいた教室」製作委員会
(C) 2008「ブタがいた教室」製作委員会

「ブタがいた教室」子どもたちの本音を引き出した即興演出が奏功

 まず何よりも6年2組の小学生が小鳥や兎や山羊ではなく、ブタを飼育した実話に意外性がある。物語は担任が「大きくなったらみんなで食べよう」と教室に子ブタを連れてくるところから始まり、子どもたち26名が“Pちゃん”と名付けて世話をしながらペットとして愛情を抱く展開は予想通り。実話の映画化だから奇想天外な事件は起こらないが、家庭環境の違う子どもたち一人一人の表情が生き生きしている。卒業式を控えた子どもたちがPちゃんを「食べるか、食べないか」でディベートするクライマックスでは、27人目の生徒になった気分でドキドキした。

 教育映画的なうさん臭さをまったく感じないのは「命の大切さ」や「食」についての考え方を押しつけないで、子どもたちの本音を引き出しているからだろう。主役の子どもたちをサポートする担任役の妻夫木聡が自然体で好感を持てるし、出番は少ないが校庭でブタの飼育を認める校長を演じる原田美枝子の包容力も印象に残る。

 前田哲監督は、子どもたちにセリフ部分や結末が白紙のままの脚本を渡したという。ドキュメンタリーに近い即興演出は、ドラマを凝縮したセリフになりにくいのだが、周到な準備のおかげで奇跡的に成功している。子どもだけでなく誰にとっても「食」の問題は無関心ではいられない時代である。この映画を見たことで、殺生と「いただきます」の意味を再認識した。(垣井道弘)

映画.com(外部リンク)

2008年10月30日 更新

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