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ラブファイト
2008年11月15日公開

ラブファイト

1262008年11月15日公開

しいちゃんのパパ

4.0

◇ガチンコ演技で真剣さはあるが・・・◇

いきなりですが、映画鑑賞のもうひとつの楽しみ。 それは、映画に出ている女優さんを観察すること。  未だ、無名に近い女優さんを発掘して、注目して、ブレイクした時、 『オレは、無名の頃から注目していました』という、眼力の高さを 自画自賛する事。 ま、空しい、楽しみだなぁと御指摘があるでしょうが・・・ 簡単に言えば、ミーハーです。(汗) 因みに、来月公開の『書道ガールズ』は、 『 スウィングガールズ』依頼の、 これから期待される女優さんが集合した映画で、 私的には食指がそそられる映画でして・・・・。 という訳で、 次にブレイクしそうな、無名に近い女優さんの発掘も兼ねて 沢山の映画を見ていますが、 そういう中で、ブレイクする一人として注目しているのが、 この映画に出ている北乃きいさん。 以前に、『幸福な食卓』を見て、 北乃きいさんの自然体の演技に感心して、 注目していましたけど、 確実に、その後、映画とかテレビとかの露出が増えて しかも、確実にステップアップいるのは確か。 『幸福な食卓』の北乃きいさんの演技を静としたら、 今作の北乃きいさんの演技は動といえる演技。 綺麗に決まる回し蹴りやサマになってるボクシング。 こんなに運動神経がいいとは・・・ 可愛い表情を見せた直後、 不良達に蹴りをかます表情のギャップは、 実に魅力的であります。 一方の、へタレを演じた林遣都も見事。 ボクシングジムに入門してから、 段々と、ボクシングがサマになってきてる。 今までの自分を変える為にボクシングジムに入門し、 不器用ながらも、確実に成長する姿を演じた。 そして、ヘタレ故の人を殴ることを恐れる、弱々しさやナイーブさも 見事に演じきっている。この人選は正解である。 この二人が、真剣にガチンコ勝負している。 その真剣さが、この映画は半端ではないと、 観客に感じさせ、この映画は面白いんだなと思わせる。 役者の演技力が発揮され魅力となった好例。 話の中心である、ボクシングを通じて稔(林遣都) のヘタレの脱却と成長と、亜紀(北乃きい)の 恋の流れは確かに楽しませてくれました。 稔はヘタレであり、自分で見えない壁をつくり、 そこを壁を越えようと、もがき苦しむ姿は、 確かに共感を感じます。 そして・・・ 稔、自ら、見えない壁を越えたとき、 自分が守られている存在から、 自分が守るべき存在へと立場が変わったとき、 本当に、自分の事を大切にされている人に気付いた時、 ヘタレというより、不器用というべき、稔の生き方だからこそ、 本当の自分は何か、大切な人とは誰かを感じた時。 サンドバックの如く、自分自身と正直に向かい合った時、 そこから、実感する確かさ、 嬉しさは、何よりも代えがたい宝物の様なモノ。 それらを集約した、ラストの3分弱の ノーカットの稔と亜紀の2ショットのエンディングに、 恥ずかしながらも、いい印象を残し、 心がいい意味で締め付けられる。 しかし・・・・ 気になったのは、もう一つの恋物語、 悲しいオトナゆえの過去を背負った、 大木(大沢たかお)と順子(桜井幸子)の恋物語が 本筋の稔と亜紀の恋話に上手く 噛み合っていない感じがしたこと。 話や世界を拡げ、ほろ苦い、オトナの恋を描くことで、 前途ある稔と亜紀の恋を輝かせるスタンスにしたかったのだろうか? 言い方が悪いが、蛇足的に感じてしまうし、必要性に疑問を抱いた。 どうせなら、シンプルにするか、 或いは、噛み合わせ方に、もう一捻り欲しかった。 とは言え、北乃きいさんの、弾けて、瑞々しい演技を見せられ 新たな発見ができたのは収穫であり、評価するべき。 対するヘタレ高校生の林遣都の演技と恋物語の、 意表を突きながらも、実は、基本に沿った恋愛話であり、 結果的に悪くない。 今作では、変な蛇足のストーリーが気になり 大甘評価をする私であっても、☆満点はできないが、 不器用な生き方ゆえの、何か壁を越えた時の、自分自身の成長や 喜びを描いた作品として、お薦めできるのは確かであります。

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