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4.0点
みていて辛いものがある。捨て子を拾って来て養育する知的障害?の母?の物語。 ただただ純粋な愛情たっぷりの母子だが、やがて少女の成長する過程で母親の奇行が疎ましくなる。邪魔になる。少女の成長への障害になる。 純粋な愛情であっても、純粋だから、愛情だから、といって受容できるものではなくなる。この子の場合は、母が居なくなることによって解放される。そして、本人の能力が長けていたために社会に出て活躍することができた。振り返って、養母の本当の愛情に感じ入り、それを拒否した自分を後悔する。 それなりにハッピーエンドということになる。が、これは数少ない事例だろう。実際には悶々とした人生の方が多いのではないか。ただ、気づいているかそうでないかだけの違いだ。ここまで特殊で深刻ではなくても、親の愛情(と思っている)が、子どもにとっての負担や障害になっていることは多い。子どもが独立する時と親が高齢・終末期を迎える時に決定的に表れる。 成熟・安定した社会では、親が「子供に迷惑はかけられない」といって子ども・孫との同居を遠慮し、自ら“施設”に引っ込む。それでいいのかどうか分からないけど、実際にはそうにしかならないということも、分かり始めてきた。 親に知的障害があるかどうかの問題ではない。迷惑な“純粋”・“愛情”。気がつくのが遅いと悶々人生になる。悲劇にもなる。
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