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さくらんぼ 母ときた道
2008年11月1日公開

さくらんぼ 母ときた道

CHERRIES/桜桃

1072008年11月1日公開

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2.0

感動は免罪符にはならない

知的障害を持った母親が我が子に注ぐ無垢の母性愛を描いた作品。プロットどおり、もうベタベタの号泣路線だが、残念ながら感動はしなかった。やたらに演出のあざとさが目につき、これほどにベタベタな話だと泣くものも泣けないものだ。 そもそも「障害者の役を演じる」ことの道徳的是非はさておき、例えば同様に知的障害者をあからさまに描いたイ・チャンドンの「オアシス」などは否定的意見もすべて黙らせてしまうほどに、演出に圧倒的な説得力があった。それと比べると、本作で知的障害者を演じた主役の女優に演技の凄みを感じない。つまりそれは監督の力量にも起因していると思う。 まるで知的障害者を軽んじているかのような描写もあり、テーマの崇高さよりもそちらの方が目についてしまい、観ていてあまり気分の良いものではなかった。 やっぱり、こういうテーマは扱いが難しい。感動作だからと何でも寛容的に受け入れられる免罪符のようなものばかりでははないし、よほど力のある監督でないと、ただタブー視されるだけの問題作に終わってしまうことを痛感した。そういう意味では本作は失敗作だと個人的には思うのだが、ちょっと辛口過ぎる評価だろうか?

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