「ブリンクス」のイギリス版
- morecambeandwise さん
- 2020年3月22日 1時13分
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銀行強盗の実録モノとしては、ピーター・フォーク主演の「ブリンクス」を見たことがあったんですが、それのイギリス版とも言うべき作品。
「ブリンクス」ではもっぱら現金を強奪することだけが目的で、ちょっとした綻びからみんなお縄になって終わる単純な話でしたが、こちらは意図せず盗んだものに王室を巻き込むスキャンダルがあったり、ポルノクラブと警察の癒着があったり、国会議員のポルノビデオがあったりと、攪乱要因がたくさん。そして銀行強盗を追う立場も入り乱れているので、最後までどう決着がつくのか、ドキドキしました。
さえない中古車販売で借金に追われるテリー。そこに幼なじみのマルティーヌが銀行強盗の話を持ちかけます。それまでも悪友たちとちっちゃな悪さはしてきたテリー、心機一転に出直そうと引き受けます。マルティーヌには裏があり、麻薬密輸で捕まったのを見逃してもらうのを条件でMI5のティムから密命を帯びていた。
それは、イギリス版マルコムXの「マイケルX」が持っているとされた英国王女の乱交スキャンダル写真。黒人解放運動というよりはドラッグや暴力組織に近いマイケルXを追い落とすために、銀行の貸し金庫に隠してある写真を手に入れること。
テリーはなにかマルティーヌに裏があると嗅ぎつけますが、計画は進行。チームを組んで、銀行の隣の店から地下トンネルを堀り、貸し金庫に。見事に大金と問題の写真をせしめます。
途中、無線で見張りと交信したのがアマチュア無線に傍聴され、警察も捜査を始めるのだけど、銀行を絞りきれずに犯行は達成。そのあと隠れ家でマルティーヌを問い詰めて真相を知った一同。テリーは一緒に行動するべきだと言うけれど、怖じ気づいた数名はその場を離脱。
デイブはポルノクラブのオーナーに捕まり拷問の末殺されます。ティムと接触して免責の条件は手に入れたテリー。残りの悪党どもとどう渡り合って生き延びられるか?
途中奥さんにマルティーヌとの関係を問い詰められてひるんだり、普通の家庭人としての弱みを見せる芝居とか、なにをやってもジェイソン・ステイサムにしか見えないのは、俳優としての弱点なのかもしれないな、とにやにやしてしまいます。
ラストのアクションでも異様に強いところを発揮して、メカニックか、トランスポーターかと思ってしまいました。
D計画という、MI5やMI6がマスコミの首根っこを押さえて報道させない強権を発動する展開などもあり、やはりどこの国でも、政治闘争で自分の首が怪しくなると政治家というのはなんでもやるんだな、と思いました。
エンドクレジットをみてびっくりしたんですが、脚本がDick Clement と Ian La Frenaisの二人で、このコンビは長年コンビをくんでいて、BBCの社会階級差をテーマにしたシットコムThe Likely Ladsで1960年代から活躍している人たちです。こういう社会派エンターテイメントは得意なんでしょうね。
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