あらすじ・解説
映画学校の学院長・木室創(長門裕之)は、才能ある一人の学生・村上大輔(井上芳雄)のことが気になっていた。ある日、大輔は戦没画学生の記録を目にし、木室の前から消息を絶ってしまう。一方、木室の自宅では妻のエミ子(有馬稲子)が戦争で心の傷を負ったままふさぎ込んでいた。そんなとき、木室に精神病院に入院中の大輔からの手紙が届く。
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作品レビュー(9件)
- syo********
4.0点
先日長門裕之さんが亡くなられ、無性に長門さん出演の映画が観たくなって鑑賞しました。74歳ぐらいの時の撮影だと思いますが、さすが一流の芝居人としての好演に感動しきりでした。 昨日の告別式の遺影は「ねずの番」で演じられた通りの写真で、もう長門さんの映画が観られなくなると思うとさびしい限りです。 ご冥福を心よりお祈り致します。
- mai********
2.0点
正直、難しかったというところがあります。 老齢介護 戦争の影 生と死 次代を担うべき若者へのメッセージ など、監督さんの伝えたいメッセージがたくさん散りばめられており 長門裕之さんは、大病されたとは思えないほどの確かな演技で素晴らしかったと思いますが… 正直、テーマがあり過ぎて(老齢介護はそんなにメインテーマではないと思いますが…) どう受け取ってよいのか難しい作品でもありました。 劇場内には、圧倒的に私などよりも年齢が上の方々ばかりで (確実に、ふたまわりは上。もしかしたらもう少し上なのかも) そんな方々にとっては大なり小なり体験したであろう戦争への思いも含めて もっと実感を込めて作品を観ることが出来る事でしょうね。 そんな私には、作品中の手紙の一文として読まれていた “一生懸命にやっていれば、オマンマにはありつける”(一部抜けていますが…) という人生の先輩からの助言だけでも 心の片隅に置いておきたいと思います。 最後に… 長門さんが購入していた絵画。 あの作者さんは群馬の方だそうで、劇場内に同じ絵が飾られていました。 不思議な魅力のある素敵な絵画でした。
- ysk********
4.0点
ものすごい体積を持った映画でした。 体積、って、言葉の使いかたがおかしいかもしれないけれど、 でも、なんと表現しよう、 圧倒される、というのともまた違う、巻き込まれるというのとも違うのだけど そこに存在するこの映画の世界がとてもとても巨きくて わたしはまだまだこの映画に対して幼すぎる、未熟すぎると 思い知らされる、というか。 映画は難解などでは決してなく、 とてもエモーショナルなその世界に自然に入ってゆけるのだけど・・・ なんと言うたらいいでしょう。 新藤兼人監督の「陸に上った軍艦」や「花は散れども」を観たときに感じた あの感じに共通する。 一見したところ「すごみ」などは感じず、むしろ、 「あぁ、そうじゃないじゃん、なんだかなぁ」というような、もどかしいような印象が まず来る、だけど、 その向こう側に、 否応なしなすごいものがあって身をかがめているのが見えかくれするとき、 あっ!と思う、不意打ちをくらう・・・! 90年も人生をぎっちり積んできた彼らとその仕事に、 スポイルされまくりの昭和40年代生まれのわたしなど、 所詮太刀打ちできもしない・・・けれど、 「太刀打ち」なんてなんだそれは?そんなのどうでもいいんです。 とにかくわたしはもっと大きくなりたいな、ならなくちゃ、と そんな気持ちをわきおこされたのです。 キャスト、意外に(といっては失礼か?)豪華! 有馬稲子宮沢りえ桃井かおり。鈴木清順もカメオ出演。 浅野忠信がちらっとだけだけど出ているのもポイント高い。 そして井上芳雄という若い俳優、終戦直後当時の流行歌を歌うシーンがあるんだけど あまりにもその昭和の歌が上手すぎて、これ吹替やろ!と思ったら本人の歌だった。 すごい力のあるミュージカル俳優だそう。またどこかで彼の歌を聴いてみたい。 (2009年1月26日京都シネマにて)
- bar********
5.0点
私が学生時代に授業でよく鑑賞していた鈴木清順監督の映画。その映画において、美術の圧倒的な力によく感動した事を覚えています。その美術を担当されていた、巨匠・木村威夫さんが、初監督デビューと聞いて、試写会に足を運びました。 勿論言わずとして、美術は目を見張る物があり、見終わった後も、一つ一つの美術に監督の意図がどう反映されているのか考え込みました。90歳を迎えた木村監督が、等身大の自分の想いを作品に注入され、「老い」をテーマに若者との絶妙な距離感を描いた内容には説得力があり、まだまだ映画人として生き抜いていく監督のパワーに圧倒されました。 桜並木の下で車椅子を押す長門さんの姿、私は一番印象に残りました。 そして、有馬さんが全編に渡って演奏するピアノの曲。時には不協和音の様に響き、時には苦悩する登場人物たちを優しく包み込む。 とにかく胸に響き渡る映画でした。
- Legendary Rider
1.0点
桃井かおりが出ているので見に行きました。 残念ながら、全く意味不明のまま終わってしまいました。 頭に浮かんだ言葉は、戦争、老い、映画、才能、心の病です。 そのどれがテーマなのか?全部なのか? 他の何かなのか? 最後まで全く分からないままでした。 この映画で400字のレビューを書くことは不可能です。 ただ、ちょっとだけ文章になりそうな点は、 村上が精神を病んでから始まる手紙のやり取りで、木室が終始励ましの言葉を書き続けているところでしょう。 私はうつ病患者に対して、励ましてはいけないと言う意識なので、とても不可解に思いました。 専門家ではないので分かりませんが、もし私の意識が正しいとしたら、映画でこの様なやり取りを何の注釈もなしに映し出してしまうことは問題があるのでは? と感じざるを得ませんでした。 映画の主題とは全く違ったことばかり頭に浮かんでしまいます。 1:55の上映時間でしたが、それより長く感じました。
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