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青い鳥 (2008)

監督
中西健二
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4.21 / 評価:382件

解説

ベストセラー作家、重松清の同名連作短編集の中の作品を映画化したヒューマン・ドラマ。いじめによる自殺未遂が起きた中学校で、傍観者となったクラスメートたちときつ音の教師との交流を丁寧につづる。ハンディキャップを持ちながらも生徒たちと真摯(しんし)に接する教師を阿部寛が熱演。一度だけいじめにかかわったことに苦しむ繊細(せんさい)な少年には、『テニスの王子様』の本郷奏多が挑戦した。複雑さをはらむいじめ問題に真正面から向かう教師の言葉を通して、生と死や救いなど多くのことを問いかける。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

いじめによる自殺未遂などなかったかのような、平穏な新学期を迎えた中学校。そこへ新たに赴任してきた極度のきつ音である臨時教師の村内(阿部寛)は、事件後転校した被害者生徒の机を教室に戻すように命じて生徒たちに衝撃を与える。そんなある日、いじめに加担したことに苦しむ真一(本郷奏多)は、その苦しい胸の内を村内にぶつけるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2008「青い鳥」製作委員会
(C) 2008「青い鳥」製作委員会

「青い鳥」戦慄から始まる、謎めいた教師と生徒の“本気”の物語

 重松清の連作短編集に基づくこの映画は、ファースト・シーンから“ただならぬ”緊迫感に満ちている。14歳の少年少女がまっさらな気分で学園生活を始める新学期初日。そこに新任臨時教師がやってくる。バスを降り、校門をくぐり、廊下を歩く。主演俳優は阿部寛だ。しかしカメラが捉えるのは手元や足や背中ばかりで、さっぱり顔が映らない。何やらこれから決闘でも始まりかねない気配。いじめ問題を扱った教育&青春ドラマを観るつもりで試写室を訪れた筆者は、この冒頭数分間で「何だ、これは」と思わず目を見張った。

 阿部扮する村内先生は、いじめを苦にした自殺未遂ののちに転校した生徒の机を教室内に戻す。「わ、忘れるなんて、ひきょうだな」。村内が発したひと言で、いじめ問題を反省して過去と決別しようとしていたクラスに戦慄が走る。そう、まさに戦慄だ。吃音症のため、滅多に口を開かない村内の真意は一切不明。自分たちへの意地悪か、挑発か、はたまた宣戦布告なのか。それまで教師=大人たちのご都合主義を見抜き、ぬるま湯的な関係に慣れていた生徒たちにとって村内は得体の知れない脅威なのだ。

 劇中の言葉を借りれば、ここから村内と少年少女との“本気”のドラマが始まる。教師と生徒の関係を支えるもの、さらには人生で大切なものとは何かということを、この映画は寡黙に、不器用に、そして驚くべき実直さで描き出す。どこからともなくぶらりと現れ、やがていずこへと去っていくストレンジャー教師。これは観る者の心を鋭く射抜いてみせる、奇妙だがずしりと重い寓話である。(高橋諭治)

映画.com(外部リンク)

2008年11月27日 更新

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