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ザ・ムーン (2007)

IN THE SHADOW OF THE MOON

監督
デヴィッド・シントン
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3.79 / 評価:179件

人間として根源的な心の豊かさへの啓蒙

  • yab***** さん
  • 2019年3月6日 21時38分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 ”君は今この国のために一番役立っている”。
 アメリカ国民に対し何らかの達成感を与えるために、アポロの宇宙飛行士の存在感とはそんな類のものだとたかをくくっていた。
 ベトナム戦争、キング牧師、そしてケネディ暗殺。暗い68年だった。だから彼らは希望の星だった。
 しかし、この作品を観る限り、彼らは英雄でも希望の星でもなかった。40年の年月を経て、彼らは浮かれても落ち込んでもいなかった。
 
 彼らは宇宙飛行士というより、哲学者であり詩人であり小説家のようだった。
 地球を月から見たというその一現象ながら誰も経験することができない現象を体験した彼らは、口を揃えて、「地球は美しかった」と語った。
 地球の美しさを知った彼らは、霊能者のようなオーラさえも感じさせた。

 元アポロの乗組員のひとりは、月から地球を見た感想をこう語る。

 己の肉体分子も 宇宙線の分子も クルー仲間の肉体の分子も
 その原型ははるか昔につくられたものだと
 すべてはつながっていて一体なのだと
 他と私ではなく万物は一つなのだと
 そしてエクスタシーに包まれた

 また別のアポロの乗組員は悟りの境地めいたことを言葉にする。

 我々は月を知ることで 実は地球について知った
 遠く離れた月で親指を立てると 親指の裏に地球が隠れる すべてが隠れる
 愛する人たちも仕事も地球自体の問題もすべて隠れてしまう
 我々は何と小さな存在だろう だが何と幸せなのだろう
 この肉体をもって生まれてきて この美しい地球で人生を謳歌することができて

 地球を客観的に見る体験を通して、人生の素晴らしさを知る。
 彼らの成し遂げたことは、けっして偉業とかいう代物ではない。
 もっと人間として根源的な心の豊かさへの啓蒙なんだ。
 そして、その彼らの啓蒙は、とても単純でわかりやすいものなんだと深く実感した。

詳細評価

物語
配役
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