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コトバのない冬
2010年2月20日公開

コトバのない冬

942010年2月20日公開

ach********

4.0

ジグソーパズルの想い

人の一生を一本のフィルムだとすると、そのうちの、とある10日間あまりを無造作にパツンと切って見せたかのような映画。 だから、そこには予定調和がない。 それを「起伏がない」と取るか「やるせない」と取るかは人によるのでしょう。 ちなみに私は後者。 膨大なピースのジグソーパズルは、ひとつのピースを失っても、全体像を失うことはない。 けれど、欠け落ちたひとつのピースから全体像を見ることは、もはやできない。 欠け落ちたピースに取り残された男が切ない。 言葉を発しない渡部篤郎は予想以上に、しなやかだ。 公衆電話  声なき慟哭  零れ落ちる一筋の涙 そして、それすらも遮るように幕は無機質にストンと落ちる。 パツンと切れたフィルムのように。 役者の方たちは皆、自然で、普通なら満点なのだろうけれど、それでもなお、言葉が台詞に聞こえてしまう時があり、それが、情景を邪魔してしまうので、ひとつ減点させていただきます。 この映画の言葉は、台詞であってはいけない気がするので。

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