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愛を読むひと (2008)

THE READER

監督
スティーヴン・ダルドリー
  • みたいムービー 3,302
  • みたログ 6,065

3.83 / 評価:1955件

ヒロインについて、語り合いたくなるはず。

  • mag***** さん
  • 2009年3月26日 11時39分
  • 閲覧数 2284
  • 役立ち度 165
    • 総合評価
    • ★★★★★

非常にいろいろな解釈が可能な作品。原作に「全世界500万人が涙した」というキャッチほど、シンプルに観客を泣かせる映画ではない。個人的には、ラスト近く、ちょっと泣きそうかな…と思ったら、すぐにひっこんじゃった(笑)。

1995年、ドイツ・ベルリン。成人した娘のいる中年の弁護士・マイケルが、昔を振り返り始める。1958年、15歳の時に知り合った年上の女性・ハンナ。彼女に本を読んで聞かせて、それから愛し合うのが彼の日課になっていた…。

この辺りだと、昔よくあった、「青い体験」(?)系の話かと思ってたのだが。

1966年、大学生になったマイケルは、結局ひと夏で姿を消してしまったハンナを見つける。しかも法廷で。彼女は第二次世界大戦中、ナチの親衛隊に所属し、ユダヤ人収容所の看守をしていたというのだ。しかも収容者を移送する途中の空襲による火事で、300人もの人を死なせていた。

そして「ある秘密」を彼女が明かさなかったために、6人の看守の中のリーダーとみなされたハンナは、一人終身刑を宣告される。その「秘密」は、実はマイケルも気づいていた…。

お、ナチものかなのかと思うけど、さほどそうでもない。

1976年。離婚して再び独りになったマイケルは、ふとしたきっかけから、ハンナに朗読のテープを送り始める。そう、「オデッセイ」など、あの夏に読んであげた本ばかりを選んで。

愛の物語なのだが、ストレートじゃないのだ。マイケルの立場で考えると、自分の親との関係、ハンナが犯した罪への嫌悪、「秘密」を黙っていた自分に対する罪悪感、ハンナにかつて抱いていた強い思いの記憶、自分の娘への思いetcが、しだいに渾然一体となってくる。さて、マイケルは、結局どういう行動をとっていくのか…というのが、このあと終盤に展開されていくのだが。

観たもの同士が一番に話題にするのは、やはりハンナのことだろう。冒頭、ある意味いきなり少年(20歳も年下の!)を誘惑するところからして、彼女という人物は一見わかりずらい感じ、バリバリ。

しかし考え過ぎない方がいいのかもしれない。ハンナというのは複雑な人ではなく、本来なら田舎で農家のおカミさんにでもなって、子供や孫に囲まれて幸せに一生を終えるべき、何事にも誠実で、物語が好きな純朴で素直な、いたって普通の女性なのだろう。そう解釈した方が、いろんな部分、合点がいく気がする。

そんな普通の女性が、戦争に翻弄されて、とんでもない運命を辿ることになる。なんとなく、古い映画だけど、アンソニー・クイン主演の「25時」を思い出しちゃったなぁ。

こんな風にいろいろと考えられるのも、リアリティあふれる演技と、的確な演出があるからに違いない。傑作と呼べるかは人によるが、かなり本数を観る映画好きにとっては観て損のない、見応えのある一本だと思う。

詳細評価

物語
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