アメコミ流アメリカ史
- カーティス さん
- 2020年10月25日 21時53分
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スーパーヒーローが存在したパラレルワールドの1980年代を舞台に、米ソの核戦争を止めるべく奮闘するヒーローたちを描くSF映画。
スーパーマンのようなヒーロー映画だと思って手に取ったのですが、内容的には「ヒーローが出てくるSF映画」という感じ。本作のヒーローたちは言ってみれば自警団の延長線上でしかなく、団結しているわけでもない。そんなヒーローたちの人間模様が上映時間の大変を占めるのですが、1人1人のキャラがイキイキとしていて見ごたえがあります。登場人物が多いわりに持て余していなかったのが好印象。それにしてもセックスの話ばかりだったな~という印象がありますが(汗)
秀逸だったのがパラレルワールドの描写。本作のアメリカは、ヒーローがいたおかげでベトナム戦争に勝利し、ウォーターゲート事件も明るみに出ず、勢いに乗っているという設定。そのせいで米ソ対立が現実以上に激しくなっているというのは皮肉としかいいようがありません。
この舞台設定をさらりと紹介して見せたオープニング映像が印象的で、ボブ・ディランの楽曲に載せてもう一つのアメリカ史を映し出していきます。ケネディやニクソンといった実在の人物も登場し、現実とフィクションが巧みに溶け合う面白さを感じました。
という感じでけっこう楽しく見ることができたのですが、欲を言えば映画ではなくテレビドラマで見たかったかな。とにかく登場人物が多く、情報量も多いので、かなり忙しない印象を受けます。何話かにわけて、ゆったりと世界観を楽しみたかったです。
詳細評価
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