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女の子ものがたり (2009)

監督
森岡利行
  • みたいムービー 538
  • みたログ 1,227

3.49 / 評価:438件

かつて女の子、男の子だった人たちへ

  • すみちん さん
  • 2010年3月8日 20時28分
  • 役立ち度 51
    • 総合評価
    • ★★★★★

すっかり「女の子」ではなくなった(笑)
30代半ばの私ですが、かつて「女の子」
時代を経ている分、この作品にすんなり
入り込めました。



女の子は男の子なんか比べ物にならないくらい
複雑な世界を持っています。

いや、男の子から言わせれば、
「オレの苦悩なんて、女の子に分かるもんか!」
の世界も多々あることでしょう。

みんなそれぞれ「分かるもんか!」の世界がある。
漫画家の西原理恵子さんの自叙伝的なこの作品。
たくさんの「分かるもんか!」と、
「分かっていたつもりだったのに…」が
詰まっていました。




漫画家・なつみ(深津絵里さん)が振り返る過去。
小学校~高校までの「友達」。
きいちゃん、みさちゃん。

なつみも含め、家庭環境もそれぞれ複雑。
でも、3人はいつも一緒に笑っています。
すれ違いもあるけれど、お互いの幸せを願うように。
そして、時には、友達の突拍子もない行動に苦虫をつぶしながらも、
やっぱりどこか離れられない友達。




物語は淡々としたペースで進むので、
「やべぇ…眠いわ…」と思われる方もいるかもしれません。
また、「女の友情理解不能!これで仲良しなの??」と思われる方もいるかも。


でも、私は「この微妙な3人の距離が、妙にリアル!」と感じました。
女の子って、“秘密を共有していつも一緒“のイメージってあると思いますが、
ある時期から、相手に遠慮をすることがある気がします。

特に友達に彼氏ができると、今までワーキャー♪
一緒に騒いでいたのに、友達が急に大人びて見えたり、
「彼氏と遊んでおいでよー!」なんて手を振ってみたり。
(自分に彼氏がいない時は、↑これ、猛烈に寂しい 苦笑)


大人になると尚更そういう遠慮はありますね。
社会で揉まれている時、また家庭を持った時、仲がいいからこそ、
相手にとって、今一番何が大事か、大切なのかを見抜いて、
上手に付き合いを遠慮する。
信頼している相手だからこそできる遠慮。




でも、「疎遠」になっていく友達と、全然会っていなくても「絆が深まる」
友達って、一体何が違うのでしょうね。

とても一言では表せませんが、大事な友達は、
会っていなくてもしょっちゅう心に浮かびます。
この作品を観ながらも、やっぱり浮かんでくるのは大事な友達たち。

大人になったなつみも、言葉には出さなくても、
いつも何かしら、きいちゃんとみさちゃんを思い出していたのでしょう。
きれいな思い出、汚い思い出、それもなつみという人間の一部と化しながら。




森迫永依ちゃんはじめ、小学生時代の3人もよかったのですが、
やはり思春期まっさかりの3人を演じた大後寿々花さん、波瑠さん、
高山侑子さんのパートがとてもよかったし、考えさせられました。

それこそ「なんでこんなDVの男に?!」(アホぼん役の大東俊介くんには
苦笑。これまたすごい役ですわ…)、とビックリしますが、
ああまでしても、男の人にすがってしまう人生もあるのですね。
また、そういう男性が魅力的に見えちゃう恋愛脳の恐ろしさ!

でも、本人はすがっているんじゃなくて、
「彼は私がいないとダメ」、「私だから彼とやっていけるんだ」。



きいちゃんも、みさちゃんもバカバカバカ!…なんて思いながらも、
きいちゃん、みさちゃんの妙な意地らしさに涙が止まりませんでした。

また、彼女たちの姿を見て、自問自答したり、苦悩するなつみの姿も、
どんどん切なくなってきて、涙がボロボロ。
やはり10代の子たちが、堕ちて行く姿は切なくてたまりません。




3人の取っ組み合いのケンカは大迫力!
溜まっていたことを吐き出した時の顔、強烈でした。
特にきいちゃんの捨て台詞は、凄いパンチ!

一気に臭くなってしまいそうなこのシーンですが、
でも、人を傷つけるという残酷さが痛いほど伝わってきました。
そういった意味では惨いシーン。
でも、「友達ってなによ?」を一番問い掛けるシーン。



ハッ!気付いたら、テーブルの上にティッシュの山が!(涙)
別に「号泣」系の映画じゃないんだけどな。

たかが映画の登場人物。
でも、切に3人の幸せを願わずにはいられませんでした。

そして、キーポイントの壁画。
あの絵の中の「道」「女の子」を眺めているだけで泣けてきました。




かつて「男の子」だった皆さんにも覗いて欲しい世界。
「女の子」は、こうやって少しずつ大人になっていく。
「男の子」がとても追い付けないスピードで大人になっていく。

「女」に成長した時、鬼(笑)に見えることもあるでしょうが、
でも、根底には「女の子」時代の経験が「女」を作っているものです。



地味な作りながらも、きっと誰しも「自分の子供時代」、
そして、「友達の顔が浮かんでくる」1本です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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