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女の子ものがたり (2009)

監督
森岡利行
  • みたいムービー 538
  • みたログ 1,227

3.49 / 評価:438件

どんなときもそばにいた 大切な友だち

  • nathushima さん
  • 2009年8月29日 19時38分
  • 役立ち度 54
    • 総合評価
    • ★★★★★

この作品はいい! 世代を越えて多くの人に観て欲しい、<女の子>向けの緩い作品というイメージは、完全に誤解を招いている。

『すべての<女の子>を元気にする、あの頃の友だちから届いた感動の物語』
これがこの作品のキャッチコピー、男性にはなかなか敷居が高いよね。
が、この作品を、ちょっと前まで<女の子>だった人のものにするのは、あまりにももったいない。 丁寧に作られた作品は、観る人全てに共感を与える。

大人に憧れたピュアな思春期、それは誰もが通ってきた道。 でも、その道は、友だちであっても、同じではなかった。 大人になるというのはどういうこと? 誰もが考えたその答えを、今再び考えさせてくれる。 人は皆、自分の力で道を作っている。 ただし、その力は、自分ひとりだけの力ではなかった・・・

「私はあんたらみたいな人生送りたない!」
「あんたなんか友達でもなんでもない!」
壮絶な喧嘩を経て、別々の道を歩いた友だち。

「先生、友だちいないでしょう?」 雑誌編集者「財前静生」役の「福士誠治」のキツい一言から始まった「菜都美」の友だちとのものがたり。 原作「西原理恵子」の自伝的作品。

愛媛県大洲市と伊予市がメインロケ地、山と海の自然が調和する四国の田舎町。 自然の優しさと、伊予弁交じりの柔らかい言葉の素朴な印象がいい。 この作品の魅力のひとつは、シーンそれぞれを独立させても「絵」になっているところ。 役者の表情の魅力が華を添える。

主人公「なっちゃん」に、現代を「深津絵里」、高校生時代を「大後寿々花」、小学生時代を「森迫永依」が演じる。 この「なっちゃん」の演技が実に素晴らしい。 それもそのはず、3人とも他の作品で主役を張っているのだから。 しかも、「なっちゃん」のキャラがどの時代にも生きているので、違和感なくそれぞれの時代が見事に繋がっている。

特筆すべきは、「なっちゃん」の高校生時代の「きいちゃん」役に「波瑠」、「みさちゃん」役に「高山侑子」、この友だち3人の織り成す演技。 小学生時代の3人も光る

原作は、初めての絵本「いけちゃんとぼく」が実写映画化され、「毎日かあさん」がテレビアニメ化された「西原理恵子」。 この作品でも見事な「西原ワールド」に引き込んでくれる。 彼女の出身地、高知県もロケ地の愛媛県と同じ四国。 実は、エンドロールで出演者の中に彼女の名前もあった。 ということは、どこかに出ているはず・・・が、なかなかの美人のためか、違和感を感じず、見つけることができなかった。

そして、最も凄いと感じたのは、脚本・監督の「森岡利行」。 原作を映画に見事に脚本し、異質といってもいい作品に仕上げている。 それが、より原作の奥深さを感じさせる。 原作・プロデュースは女性、脚本・監督は男性。 男性目線もきちんと抑えられているのは、このバランスだろうか?

僕は、映画はひとつの作品として完成されると思っているため、原作との違いには拘らないが、これだけ見事な脚本は例を見ないのではないだろうか?

主題歌「タオ」も作品の雰囲気によく合い、、余韻が実に心地よい。

ピュアな心を思い出し、元気付けられる、本気で涙を流せる。 ― そんな作品を劇場で是非!



- - - - -ここからは余談- - - - -



いわゆる単館系の作品は、作品の予告編を観てから実際に観るかどうかを決める僕にとっては、単館系の劇場に足を運ばなくなったら、情報はインターネットのみになってしまう。 これも困るが、一般的には、作品の存在さえ知らないことがほとんどである。 この作品のようにお勧めできる作品でも、神奈川県で4館しか上映されていなければ、観客動員数は自然と限られてしまう。 非常に残念でならない。

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