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ディア・ドクター (2009)

監督
西川美和
  • みたいムービー 721
  • みたログ 3,380

3.92 / 評価:1391件

練りこまれた脚本が印象的

  • padme_amida_la さん
  • 2009年5月28日 0時41分
  • 閲覧数 523
  • 役立ち度 169
    • 総合評価
    • ★★★★★

今回の映画はネタばれしないとレビューが非常に難しい。そこで、ネタばれレビューについては自分のブログの追記に書くので、そちらを参考にしてください。

さて、ネタばれなしレビュー。

昨日観た「ザ・スピリット」は映像を加工して彩度を落とした映画だったけれど、今日の映画は日本の田舎を舞台にすることによって彩度と明度を落としていた。水墨画の世界ともまた違う、日本独特の風景を映し出していて、ちょっと懐かしい感じ。

そんな田舎を舞台にした医療ドラマなのだけれど、あるターニングポイントの前と後を物語はいったりきたりする。

その「ターニングポイント」こそがネタばれなのだけれど、それ自体は最初の15分ぐらいで気が付いて、30分ぐらいでそれが確信に変わり、あとはその風呂敷をどう畳むのか、ということが焦点になってきた。ま、そのあたりはネタばれレビュー部分を読んでもらうとして、その、あるポイントの前と後を行ったり来たりするのが非常に演劇的で、あまり映画を観慣れていない人だとちょっと戸惑うのかも知れない。まぁ、そのあたりの組み立ては決して難しくないので、慣れてしまえばどうってこともないと思うのだけれど。さて、そういう構造の中で、「前」も「後」も短めのエピソードを断片的に盛り込んでいくことによって、物語は構築されていく。特に「前」については、最初は散漫なエピソードなのだが、それが徐々に一つに収束し、やがてこの映画のテーマが明確になるというつくり。一方で、「後」の方は収束したものを徐々に発散させていくことによってエピローグへとつなげていく。このあたりの計算された構造がなかなかに見事で、「あぁ、脚本の段階で物凄く練りこんでいるんだな」という印象を受ける。

とにかく映画のかなり初期のところでネタに気が付いてしまったため、そこからは興味は「どうやって広げた風呂敷を畳むのかな」という一点に意識が集中してしまった。なので、そこが駄目なら映画の評価も駄目になるし、そこがうまければ映画の評価は一気に高くなる。では、その畳み方はどうだったのか、ということなのだが、正直、見事だったと思う。メインのプロットは別に全然珍しいものではないのだけれど、その描き方と、ラストが良かった。

去年公開された邦画の中で高く評価したのは「百万円と苦虫女」だった。あの映画と本作の共通点は「日本の都会ではなく、田舎を描いたもの」というのはもちろんなのだが、実はもっと大きな共通点として、「比較的若い女性監督による作品」ということがある。「百万円~」はタナダユキ氏によるものだったが、あれも脚本、監督を自ら手がけていた。本作も西川美和氏が原作、脚本、監督を手がけている。日本の女性監督というのはなかなかやるね。

ネタばれレビューを読みたい方は下記リンクをどうぞ(ただし、ここまでのレビューで観た方が映画は楽しめると思います。事前の情報はほとんどなしで、フラットで観て欲しいです)。

http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50842508.html

今年前半の邦画の中では文句なくナンバー1(洋画を入れちゃうと、やっぱり、グラントリノがねぇ(笑))。

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