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カムイ外伝 (2009)

監督
崔洋一
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2.62 / 評価:1014件

解説

白土三平原作の傑作コミックを『血と骨』の崔洋一が実写化したアクション娯楽大作。忍びのおきてに背き、たった一人で追っ手から身をかわす不屈の主人公の苦悩と孤独を浮きぼりにする。孤高のヒーローをその抜群のセンスで演じるのは、『L change the WorLd』の松山ケンイチ。ヒロインを『ラスト・ブラッド』の小雪が演じている。人気脚本家、宮藤官九郎と監督が共同で手掛けた脚本からあふれ出す人間味に満ちた物語に圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

鉄の意志を持ち、見事な剣の腕前を持つ忍者カムイ(松山ケンイチ)は、おきてにがんじがらめにされた忍びの世界に閉口してそこから抜け出す。かつての仲間、大頭(イーキン・チェン)やミクモ(芦名星)はそんな彼を裏切り者とみなし、執拗(しつよう)にその後を追う。ある日、漁師の半兵衛(小林薫)を助けたことでカムイはその家族に歓迎されるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2009「カムイ外伝」製作委員会
(C)2009「カムイ外伝」製作委員会

「カムイ外伝」激しい動きで小手先の演技を封じられた松山ケンイチの一生懸命さに好感

 1964年に連載がスタートした白土三平の壮大な長編「カムイ伝」と翌年に誕生した番外編「カムイ外伝」は、階級社会や身分差別の理不尽を追及した忍者コミックだった。バリケードの中で漫画誌を回し読みした全共闘世代にとっては、挫折感を伴った懐かしさが蘇ってくる。骨っぽい崔洋一監督にふさわしいテーマだと思った。共同脚本が宮藤官九郎なので突飛なストーリーになることを危惧したが、「カムイ外伝」の中の「スガルの島」編をほぼ忠実に映画化している。

 忍者の掟を破って抜忍になったカムイは、かつての仲間と死闘を繰り広げる。忍者映画の醍醐味ともいえる技の数々をもっと見たかった。実写だから可能な肉体の躍動感を捉えた映像がとてもいい。小雪が演じるスガルも同じ抜忍だし、本当の敵を見分けにくい緊張感が最後までドラマを牽引している。渡り衆とサメ退治をするシーンなどはどう見てもCGなので違和感が残る。だがアクションと人間ドラマのバランスが取れ、無駄なショット(カット)がほとんどない。

 この作品は白土三平の歴史観や悲惨な物語をどう解釈するかで評価が分かれるだろう。激しい動きで小手先の演技を封じられた松山ケンイチの一生懸命さに好感が持てた。小林薫や小雪もいいし、憎まれ役の不動を演じる伊藤英明の存在感が期待以上に際立っている。逃亡者の宿命を背負ったカムイが生き残るには、己が強くなるしか道がない。つかの間の安息と愛する人たちを失ったカムイの絶望的な孤独感が胸に迫ってきた。(垣井道弘)

映画.com(外部リンク)

2009年9月17日 更新

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