ここから本文です

ひぐらしのなく頃に 誓 (2009)

監督
及川中
  • みたいムービー 129
  • みたログ 294

2.27 / 評価:206件

繰り返される閉じた世界の第二幕

  • i_seraphim さん
  • 2016年7月4日 23時20分
  • 閲覧数 1910
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

この物語は系譜的に言えば『バタフライ・エフェクト』の系譜に連なる作品で、あの作品で言うところのタイムリープに入るきっかけとなった序盤のバッドエンド的な状況のシークエンスにあたる部分だけを切り取って、まるまる一本の映画として提示したのが前作である一作目、というかたちになっている
実はものすごく複雑な構造と背景を持った物語が横たわっていて、その序盤で躓いてしまった状態があの展開

仕切りなおして最初からもう一度、というわけで次の本作に繋がってくるわけだけれど、一作目のように不信感や疑心暗鬼で仲間を殺害するに至る悲劇を回避できたとはいえ二作目でも事件の背景に横たわっている大きな謎の全体像は明らかにならなず、結局は破局的な大量死によって幕を閉じることになってしまうことになる
本当はもう一作ぐらい作って全体像が把握できて解決への目鼻がつくところまでは見せて欲しかったなー

キャストも演出も、脚本に見られる原作の端折り具合も全体のムードもいい感じで、俺としては大好きな部類の映画でした
及川中さんの作品は正直あまり好きではないのだけれど、この作品は大好きです

この映画と前作の二作を見て気に入ったためにアニメに手を出して、全体像やカタルシス溢れる終幕の展開を知ることができ、その過程で何度も心を揺さぶられるような体験ができたことをいまでも鮮明に思い出す
アニメ版は基本的に苦手な絵柄や演出の傾向を持った作品だったのに内容が素晴らしくて夢中で見てしまったよ

原作は8つのエピソードから成っていて、最初からやっては新たな悲劇に終わるという失敗エピソードが7回も繰り返される
でも失敗して悲劇に終わったエピソードも無意味ではなくて、失敗がもたらす痛みを知っているからこそ後のエピソーで今度こそ、という強い思いが生まれてくるんだけど、その繰り返しの回数が一回だけではいかにも弱い
この映画は最低もう一作は必要だったように思う

漫画やゲームが原作の実写化作品としてはかなり再現度が高い部類に属していると思われ、この映画を見てからアニメを見ても大きな違和感は感じなかったことからもそれが窺われる

思春期の不安定な時期に体験する心の揺れをかなりリアルに思い出せるような世界を持った作品なので大人が見ても、というか大人の方が楽しめるんじゃないだろうか

返すがえすも二作で終わってるのが残念でしょうがない

上記の通りこの二作だけでは全体像が評価できないため、レビュー点数としては★4つに
本当は★5つでもいいぐらい好きな映画だよ

※この映画のレビューには「学芸会」という紋切り型の貶し文句が頻出してるみたいだけど、そのフレーズを使うとあまり深く作品の問題点を切り分ける能力がないのがバレちゃうし、理解や表現の幅が著しく貧困になってなかなかその呪縛から出られなくなるから個人的には使うのを避けてる言葉なんだ
使うと頭が悪くなる言葉というのがあるんだよね

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ