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ヘンリー・プールはここにいる ~壁の神様~

bla********

5.0

ネタバレ素敵なお話しです

「ヘンリー・プールはここにいる」 この作品は、コメディーではありません。笑える場面もありますが、死を宣告された人が、苦悩の中から人間性を再生していくドラマです。 ヘンリー・プールは、病院の血液検査の結果、医者より重い病気だと知らされます。治療するには、すでに手遅れでした。 スプリングスティーンの歌が流れ、傷心のヘンリーは、全て捨て、遠くカリフォルニアにやってきました。どうしても買いたい家があり、不動産屋の女性に頼みますが、現在住んでいる人がいるため、諦めなければなりませんでした。何故その家にこだわったのかは、終盤に判明します。仕方なくヘンリーは別の家を買います。言い値で買うヘンリーに不動産屋の女性はさすがに悪いとおもったのか、家の裏側の塗装がはげた壁を塗り直してくれます。サービスで綺麗にしたことをヘンリーに報告するために不動産屋がきますが、壁にはまたシミが浮き出ています。塗りなおそうと不動産屋が提案しますが、長くは住まないからと、ヘンリーは申し出を断ります。 死を前にして、毎日酒を飲み続けヘンリーは捨て鉢な生活を始めます。スーパーマーケットの弱視の女子店員から、きょうもパーティーですかと声を掛けられても、ヘンリーは面倒そうに無視をします。近所のおばさんは、手作りのパンケーキを、引越しの挨拶のため、ヘンリーの家に持ってきてくれます。家の前の持ち主が、彼女の大切な男友達だったことが分ります。男友達が心臓発作で亡くなった時、最初に発見したのは彼女でした。 おばさんが帰った後、ヘンリーとおばさんとの会話が、近くから流れてきます。ヘンリーが見回すと、テープレコーダーを持った6歳の少女がヘンリーを見ていました。ヘンリーが近づいて話し掛けようとしましたが、何もいわず、女の子は走って隣の家に帰ってしまいました。 忘れていったテープレコーダーを何気なく操作すると、女の子の母親らしい声が聞こえてきました。病気の娘を心配して泣く母親の声に驚き、ヘンリーはテープレコーダーを消します。 テープレコーダーを返しに、ヘンリーは隣の家を訪ねます。出てきた美しい母親に、ヘンリーは面食らい、思わず招かれるまま家に入ります。そして、彼女の娘が、父親が出て行ってから失語症になり、医者からも見離されたことを知ります。 ここまでが、人物紹介の場面になります。物語は、これから家の裏壁に見えるシミを見つめる近所のおばさんが、シミがキリストに見えると言い出し、信じられない展開に向かうのです。 ヘンリーにはただのシミにしか見えません。しかし、おばさんはキリストだと言い張ります。その内に、赤い血のような滴が出てきます。おばさんは、近所の人々を呼び、奇跡だと話します。教会に正式な調査を依頼させて欲しいとヘンリーに懇願します。 スーパーマーケットの女子店員が、壁のシミに手を触れるのを、ヘンリーが見つけます。女子店員は、突然、見える!!と叫んで眼鏡を置いて帰ってしまいます。 また、真夜中、娘がいなくなり、母親が無我夢中に探し回ります。そして、ヘンリーの家の壁のシミに娘が手を触れているのを見つけます。抱き寄せる母親、娘も母親にしがみ付き、ママと呟きます。驚く母親、ヘンリーも駆けつけ、二人を見つめます。女の子がしゃべれるようになり、ヘンリーも喜び女の子を抱きしめます。それからは、ヘンリーと母娘は仲良くなり一緒に水遊びにはしゃぎます。 これからも、まだ、まだ、切なくも素敵なストーリーは続きます。 ヘンリーを演ずるのは「モーテル」で新婚の夫を演じたルーク・ウィルソンです。「Gガール 破壊的な彼女 」といい、どんな役でも出来るのですね。隣家の美しい母親はラダ・ミッチェルが演じています。 「サイレント・ヒル」の勇敢なお母さんですね。また、壁のシミを発見するおばさんは、アドリアナ・バラーザさんです。「バベル」でメキシコの子守のおばさんを演じていましたね。監督はマーク・ペリントン、「隣人は静かに笑う」や「プロフェシー」を監督しています。特典映像を観ると、クマのボンゴのような雰囲気の監督です。元々は3時間半くらいの作品だったそうですが、未公開映像を観ると、さらにドラマが濃密だったことが分ります。出来ることならロングバージョンも観たいと思います。 この作品、僕は好きです。

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