レビュー一覧に戻る
ザ・バンク 堕ちた巨像
2009年4月4日公開

ザ・バンク 堕ちた巨像

THE INTERNATIONAL

PG121172009年4月4日公開

風よ吹け

4.0

ネタバレ巨大な組織に立ち向かう個人の戦い

少し、「消されたヘッドライン」とかを思い出すテイストのスリラーです。銀行を舞台にしているとはいえ、金融要素のあまりの薄さにちょっと拍子抜けしました。邦題の「堕ちた巨像」というのも、もともとそんなに高く評価されてないし、という印象も。 IBBCというメガバンクがミサイルの取引を仲介しようとしている動きを察知して調査しているルイとエラ、すると内通者と接触した直後に仲間が殺され、邪魔が入り始める。次期イタリア大統領候補にもなっている軍事産業のトップに事情を聞くと、直後に狙撃・暗殺されてしまう。狙撃手が二人いたことまで突き止めたルイとエラだが、イタリアの汚職警官に邪魔されてしまう。 しかし屋上に残された足跡から狙撃手が義足であることを突き止め、医師のカルテから居場所を突き止め、張り込み。一方IBBC側は真相に迫り始めたルイを排除しようとこの殺し屋に暗殺を依頼したところだった。その現場グッゲンハイム博物館で壮絶な銃撃戦。証人に仕立てようと思っていた狙撃手は刺客に殺されてしまうが、依頼していたウェクスラーを捉え尋問。法廷では有罪に持ち込めないと知り、ルイは単独で罠を仕掛ける。 最後は、父を殺された軍事産業の差し向けた殺し屋が銀行の頭取を殺して終わり、ビジネスはそのまま受け継がれ、世界は何事もなかったかのように続いていく…。 この世のシステムの非情さと個人の信じる正義というものの無力さと限界を感じさせるエンディングでした。表立って組織として戦おうとすると、個人や家族が標的にされて証人は消される、という大きな壁、そこに対してどう立ち向かえるんだろうか、という意味ではあんまり爽快感のある終わり方はむしろ嘘くさいんでしょうね。 話としてはわかるしそれなりにドキドキしたけれども、検事が進める捜査物、ということで、ちょっと地味にはなりました。結局殺し屋一人を手がかりにするしかなかった、というところも推理物としてはややキレを欠いたかもしれません。しかしグッゲンハイム美術館を舞台にした銃撃戦はリアル。入り口部分だけは本物でロケをして、あとはベルリンに実物大セットを建てたそうです。本物を使ったらあんなに穴だらけにはできないでしょうが、雰囲気はすごく出てました。 クライヴ・オーウェンは、「ボーン・アイデンティティー」「キラー・エリート」「ヴァレリアン」「アノン」「インサイド・マン」など、結構見てるんですけど、見るたびに名前が思い出せない一人です。エラ役はナオミ・ワッツ。「キングコング」の頃よりも少し生活感を出して、ちょっとニコール・キッドマンとかぶる感じもあります。ニューヨークでの上司役がジェームズ・ウッズが年をとったのかな、と思ったら昔からちょっと似ていたジェームズ・レブホーンでした。

閲覧数1,791