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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 (2009)

監督
摩砂雪
鶴巻和哉
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4.15 / 評価:2,997件

解説

大人気テレビアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」を映画化した、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全4部作のうちの第2部。前作で汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンで戦うという決断を自ら下した少年が、謎の生命体“使徒”とさらに激しい戦いを繰り広げる様子に肉迫する。本作でもテレビシリーズを手掛けた庵野秀明が原作と脚本、総監督を担当。今回、初登場となる新キャラクターや、新型エヴァンゲリオンの勇姿に大興奮!

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジ。大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。また、綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。加えて魅惑の新ヒロインが登場する。そして、謎の生命体“使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオンの参加で、さらに激しくエスカレートしていく。

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映画レポート

(C)カラー
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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」悲壮感を乗り越えてポジティブに生をまさぐる意思を感じさせる

 新劇場版「序」ではシンジの性格付けに変化の予兆を感じさせたが、「破」はもはやリメイクとは思えぬほど感触が変わり果てた。14歳の少年が何とか自らを肯定して幕を引いたTV版と、世界を破滅させた旧劇場版――ロボットアニメというジャンルを装いつつ、庵野秀明が不安と焦燥にかられる自我をさらけ出した90年代後半の神話は、ゼロ年代末期を生き延びようとして必死な魂とシンクロするかのように変容した。

 新たに投入されたのは快楽的に戦闘に臨むキャラ、マリ。謎めいた彼女は全編を覆うトラウマに満ちた空気を壊す役割を体現し、遂には、あのレイまでもが心を開き始める。最も重要な変更点は、大切な他者の危機にシンジが直面するシチュエーション。少年は誰を傷つけ、誰を救うのか。2つの戦いには、昭和歌謡の名曲「今日の日はさようなら」と「翼をください」が聖歌のように奏でられる。それは、庵野が「ラブ&ポップ」で援交を通過した少女たちが未来に向かって歩き出すラストに流した「あの素晴しい愛をもう一度」を彷彿とさせ、悲壮感を乗り越えてポジティブに生をまさぐるシンジの意思を感じさせる。

 90年代エヴァが「逃げちゃダメだ……」という引きこもり的態度に象徴されるとすれば、新生ヱヴァの精神は「綾波を返せ!」という決然たる言葉に込められた。自己嫌悪のループの果て破綻した物語を、作り直さねばならなかった真意はそこにある。伝説と化した作品を依り代に、配給も含めたすべてを掌握し、自分自身の物語にけりを付ける庵野の戦いには、希望の匂いさえ漂ってきた。(清水節)

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2009年7月2日 更新

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