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ルパン三世 1st.TVシリーズ

R1

4.0

ジブリとルパン三世

現在、都内で上映中の『ルパン三世 1st.TVシリーズ』 このシリーズはDVDも所持しているが、大きなスクリーンで観たいと言う願望で劇場へ TVシリーズの11話『7番目の橋が落ちるとき』 14話『エメラルドの秘密』 19話『どっちが勝つか三代目!』 この三作品を上映 70年代に作られたアニメなので、今と比べたら動きも少ない スクリーンだとテレビ画面で観る以上に紙芝居のような静止画が多いことは感じる それでも今観ても面白いのは確かだ でも、もっと面白いエピソードもあるのに何故この三作品を選んだのだろうか? 疑問があった それは同時上映された『ドキュメント ルパン三世とその時代』で謎が解ける 今回の上映は実はスタジオ・ジブリが企画したもの このドキュメンタリーにも途中から演出を手がけた宮崎駿と高畑勲がインタビューで登場する 子供向きのアニメばかりだった頃、TV版ルパン三世は”ニヒルでアンニュイのダークな大人向けアニメ”を目指して作ったそうだ 車や銃など登場するアイテムに時間をかけて細部までこだわって描いたアニメ 社会の為に我武者羅に皆が働いた高度経済成長期の日本、視聴者が自分と重ね合わせて大人気だった『巨人の星』のような熱血で目標に目指すのではなく、まったく正反対でアンチテーゼのアニメ しかし、視聴率は低迷 すぐに演出が交代 そこで建て直しに指名されたのは宮崎駿と高畑勲 二人はそれまでのルパン三世像に疑問を持っていた もう少し勤勉で熱心なルパン三世 陽気なドタバタコメディに路線変更した 今回上映された三作品は、そんな変更されたルパン三世を象徴したような作品だったのだ 他人を助ける為に行動 仲間との協力 盗みよりもドラマのメインはドタバタコメディ 宮崎・高畑版のやりたかったルパン三世だった しかしこのシリーズのクレジットには二人の名前はない 『Aプロダクション演出グループ』と表記されている 宮崎駿は”降ろされた演出家の替わりに自分達の名前を出すのは嫌だった”と ”一生懸命やったが途中からの参加もあり納得出来ないこともある” この二人がTV版ルパン三世についてはほとんど語らないのはそんな事情もあるのかもしれない その後、宮崎駿は『カリオストロの城』を制作するが、本当にやりたかった納得の出来るルパン三世を作りたかったのだと感じた ただ懐かしのTV版の上映会だと思い劇場に足を運んだが、時代背景などもう少し深い印象を得た公開だった

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