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イル ベント エ レ ローゼ 愛するということ
2009年5月9日公開

イル ベント エ レ ローゼ 愛するということ

732009年5月9日公開

sei********

3.0

ネタバレ成人女性のゴージャスファンタジー

 残念ながら上映する映画館は少なかった。大阪では梅田ブルク7だけだったように思う。いずれにせよ、近所の映画館では上映されず都心まで出張らなければならなかった。  本作が上映されるとき、関西系バラエティ番組への出演がいつもより多かったように記憶している。大阪の映画館でも舞台挨拶があったようで、ロビーには叶姉妹のサインが残っていた。セレブのおっとりとしたイメージを前面に立てているが、なかなかビジネスウーマンだ。    この手の「邦画」としては70年代後半に公開されブームになった池田満寿夫氏の「エーゲ海に捧ぐ」(余談1)以来かな、そんな興味で観に行った。  物語はいたって定番のシチュエーションで固められている。叶恭子氏扮するココは謎の美女、優雅な衣装をヒラヒラさせながらベビーシッターの名目でとある豪邸にやってくる。  豪邸の主人は40歳前後の優男、地位と分別と性欲のバランスが取れた青年当主といった感じで、ココを藝術品のように愛で、彼女がしたいように伸び伸びと過ごさせる。  彼女がつまみ食いする男性は精力絶倫20代の坊ちゃん、前戯や余韻を楽しむ当主とは違って、若者らしく行け行け突け突け。    そして主人公は貧しくて慎ましい敬虔なカトリックの祖母に育てられた20歳前の女性、街頭で花を売って生計を立てている。婚約者はどうやら半ば祖母ら周囲のお膳立てで決められた男性だが、かなり野卑。このまま陰気で息苦しい環境の中で野卑な男と結婚させられ子供を産まされる人生スケジュールに悶々する。そんな時に、ミステリアスな女性ココが高級車に乗って登場、豪邸の執事から花を注文されて届けにいくところから物語が展開する。    全体に美しい風景描写を取り入れ、中世の甲冑を着た主人公が廃墟で出没するなどのイメージ映像を挿入、ラテン系の迫力ある歌謡曲をBGMにゴージャスで情熱のフリーセックスがお洒落に繰り広げられる。  ポルノとしては、あまり欲情する場面は無かった。叶恭子氏は見栄えが素晴らしいが私にとってはセックスシンボルでは無い。ヒロイン役は私のタイプに近いがあまり色気を感じない。セックス描写もどちらかといえば女性の身体を綺麗に魅せる事に力を入れていて、性欲を煽る事は目的で無いように思えた。    謎の女ココは、セックスを媒体に坊ちゃんや主人公に固定観念を削ぎ落とし心を自由に解放させる役割を担っているようだ。付き合いが長い豪邸の当主はさしずめココの信者か。  成人女性が楽しむゴージャスファンタジーといったところだろう。スタッフも監督以下全員女性らしい。   (余談1)池田満寿夫氏原作監督の意欲作。ヒロインには後に国会議員になるポルノ女優のチョチョリーナ氏。  原作はたしか芥川賞をとったかな? かなりブームになっていて、ジュディ・オング氏がエーゲ海をイメージした歌をヒットさせるほど、エーゲ海は注目された。  で、その映画の感想だが、セックスと乱交パーティーの連続を淡々と描写していて、あまり面白くなかった。映画音楽はさすが巨匠エンリオ・モリコーネ氏だけあって、印象深い曲だった。

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