レビュー一覧に戻る
サマーウォーズ
2009年8月1日公開

サマーウォーズ

1142009年8月1日公開

むるそー

4.0

ネタバレ所詮はマンガ映画(良い意味でネ)

既に多くのレビュアーさんたちもご指摘のとおり、冷静に見れば、余りにもツッコみどころが多すぎる映画。 いくら数学オリンピック代表候補だった秀才とはいえ、一高校生に解かれてしまうozのセキュリティ甘すぎだろ!(尤も、主人公は一つ間違えてしまってたわけだけど) いくら旧家の人間とはいえ、栄婆チャン人脈持ちすぎだろ! ラブマシーンに対して、ozの管理会社は何もしていないのか? 人工衛星が原子力施設に落下しようというのに、米軍も自衛隊も動かないのか? それに、そんな状況下で甲子園の予選なんかやってちゃダメだろ! 大体、AIとの最終決戦の手段が花札って、一体何なんだよ?! …とまあ、私ですら数多くのツッコみどころがあるわけだから、IT関係に詳しい皆様なら、もっとツッコみどころが存在することだろう。 アニメでなく実写版としてやってりゃ、とても鑑賞に堪える作品ではなかったはず。 でも、アニメだから「何でもあり」って許せる部分もあるし、近年のグダグダなストーリー展開の実写版邦画と違って、畳みかけるようなスピーディなストーリー展開で、上手く視聴者を煙に巻いている。 主人公が容疑者として、顔写真が目隠し入りとはいえテレビに晒されるシーンなど、実写版なら「ありえねー!」だけど、アニメだからギャグシーンとして成立する。 実際にいるはずのない金髪のおバカ警官も、アニメだからコメディリリーフとして成立する。 ゲームパッドではなくキーボード操作による格闘ゲームも、アニメだからこそ文字通り「絵になる」。(この部分は「プラレス3四郎」のオマージュなのかな?…片目が隠れる佳主馬クンの髪形も「3四郎」の成田クンを髣髴させるし…) それに何といっても、顔が赤くなるなど、アニメならではのベタな演出が実に効いている。 特に終盤の「鼻血ブー」なんて、「コレ、コレ!…これこそがアニメだろ」って、もう感動しちまったよ(笑)。 最後の栄婆チャンの笑顔もサイコー! キャラデザも、オタク向けとは違うフツーのアニメって感じが個人的には好き。 フツーの高校生って感じのヒロイン・夏希センパイは、オタクたちには不評のようだけど、萌えキャラ風のデザインで聖少女かツンデレの設定なら、もっと受けていたのかな?(笑) また、昔ながらの封建的大家族主義への批判もあるけど、所詮は都会のガキから見た空想上・理想上の大家族をアニメ化しただけって感じで、私個人は然程気にならない。 まあ大人の目から見れば、実際あれだけの親戚がいたら普段の親戚付合いも大変だろうなって思うけど(笑)、みんな子供のころ、あんな大邸宅の帰省先があって、主人公云うところの「大勢でご飯食べたり、花札やったり」ってことに憧れなかったかな? ストーリー設定も、「家族の絆というアナログがデジタルに打ち勝つ」という「超」の付くベタかと思いきや、夏希センパイ大ピ~ンチ!…って時に、見ず知らずのドイツの少年が救いの手を差し伸べてくれて(このシーン、何度見ても泣かされるな~…笑)、「つながりこそが、ボクらの武器」というキャッチコピーが、家族の絆のみならず電脳空間のつながりでもあることが明らかになるなど、きちんと練られている。 とにかく、心地よいベタさが通奏低音として流れていて、昔ながらの王道アニメ(royal roadではなく良い意味で)って感じの作品だ。

閲覧数1,365