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USB
2009年6月6日公開無料配信

USB

952009年6月6日公開

iri********

4.0

考えなくても、「生きている」のです

眠れない我が日本。そして眠らない当レビュー者。 そんな眠れない時におすすめしたい映画『USB』だ。 いや、眠るような映画では無い。 観る人によっては眠ってしまうかもしれない。 ただ、眠ってはいけない。 現実から目を背けてはいけない。 それが『USB』だ。 この映画、はっきり言うが難しい・・・。 この映画を作った監督は何を訴えたかったのであろうか? いくら考えても答えが出てこない。 恐らくであるが、それが『USB』なのであろう。 難解なタイトルからもわかるように、物語も難解だ。 もう少し表現を変えたわかり易いタイトルであれば、観る気になれるのに・・・、もったいない。 「USB」の意味についてはネタバレになりそうなので、ここでは伏せさしてもらう。 物語はヘタレ主人公が原発の臨界事故が起きた町に母と暮らすことになる。開業医だった父のあとを継いでほしい母親桃井かおりが、彼に「頑張って!」と声をかけ、主人公・祐一郎は切磋琢磨して予備校に通うことになる。しかし、彼にはやる気なんか無い。勉強してなんになる。そういった己の訳のわからない哲学を持ち、葛藤し、苦悩し、なんとなくだが恋人も出来、そしてギャンブルやドラッグという「悪」の世界に染まるようになる。借金も作る。なので、放射線科の臨床試験の仕事をして借金返済することになる。 ここまで読んでわからないように、この映画はわからないのだ。 恋人は妊娠する、だからそのためには人間であれば彼女のために、思いを寄せ「頑張っていこう、2人で!」そういった感情を持つだろう。 だが、この主人公、なんなのか知らんが、感情ゼロだ。 何を考えているのか全くわからない。 『ノーカントリー』の殺人鬼か。 そう、この映画は『ノーカントリー』とだぶっているようにも映る。 感情を持たない殺人鬼シガー。 舞台は南部アメリカ。 僕はあの映画は「チェンジ」という意味が含まれていると、勝手に解釈した。 もう南部社会は無いのだと。だから傍観者がいた。 ・・・。 今作の主人公はとーってもヘタレだ。 ヘタレで思いつく人物・・・、そう、当レビュー者だ。 そんなヘタレな主人公。 主人公は死にたいのか死にたくないのか、よくわからない。 お前はどこへ向かおうとしてるのか? 出口が見えない。悩んでいるようで悩んでいるように見えない。 監督の手伝うシーンがあるが「桜」は何を意図として、映像に取り入れたのか? 「桜」は綺麗だ。 人間は何か目標があるから頑張って努力する。行動を起こす。それが人間だ。 悔しいから涙する。それが人間だ。 感情があるから人間ではないか。 これはあくまで僕の独断による見解だが、この主人公は確かに「何か」から逃げたい。それは映画のシーンでも表現されてある。だが逃げようとしない。「恐い」から逃げたいのでは無く、この今の不幸な世界から逃げたいだけなのだ。今の世界では犯罪が容赦なく行われている。何の罪も持たない人間が殺されている。僕は何百回、何千回、いやそれ以上に熱く、この事に対しては訴えてきた。人を殺すというのは、愛する者が殺された時にだけ、その「殺す」という権利が生まれるものだ。 とどのつまり、この映画は主人公は混沌とした世界から逃れたい、そして彼の周りにいる、、、特に彼女であるが、彼女のように「生きている」という演出、まあ難しい用語は辞めとくが、この彼女は主人公と反比例だ。主人公は「混沌とした世界」、彼女は「生きている」。それが今作では描かれていて、表現しているのではないだろうか。 上手く表現は出来ないが、あえて「観る価値はある」と断言さしてもらう。

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