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人生、ここにあり! (2008)

SI PUO FARE

監督
ジュリオ・マンフレドニア
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4.26 / 評価:328件

人として生まれたからには…

  • 一人旅 さん
  • 2018年4月16日 22時49分
  • 閲覧数 1520
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジュリオ・マンフレドニア監督作。

1980年代のイタリアを舞台に、精神病患者たちの社会参画の歩みを描いたヒューマン・コメディ。

1978年にイタリアで公布されたバザリア法(=精神科病院の新設や精神科病院への新規入院を禁じた精神科病院廃絶法)の施行に伴う実話を基にした“精神病患者による社会参画コメディ”の秀作。バザリア法によって精神科病院を追い出され行き場を失った元患者たちが属する労働組合に左遷された主人公:ネッロが、つまらない補助的仕事を繰り返している元患者たちを“健常者がやる普通の仕事”に就かしてあげようと奮闘する姿を、個性豊かな精神病患者の面々が織りなす悲喜こもごもの日常風景の中に描き出しています。

元来、精神病患者を含めた障害者は社会から隔絶された環境に半ば幽閉されて生きることを強いられてきました。それは日本も同様で、今でこそ障害福祉に係る法が頻繁に改正され障害者施設は街中にも普通に建てられるようになりましたが、昔は人里離れた(健常者の目につかない)場所にひっそりと建てられていることが主流でした。しかし、時代の流れと共に“障害者も一人の人間である”というごく当たり前の考えが拡がり、少しずつですが障害者に対する一般社会の理解の度合いは深まりつつあります。本作はまさに、人として生まれたからには人生を謳歌すべしとする人間生来の大切な権利をユーモラスに活写した社会的に意義の深い上質なコメディ映画であります。主人公と患者たちの社会参画への奮闘劇を通じて、働く歓び、金を稼ぐ歓び、女を愛する歓び、そして社会の偏見に屈せず自分らしく自信を持って生きる喜びをイタリア映画らしく堅苦しさを抑えたライトなタッチで謳い上げています。

劇中、患者たちはネッロ主導の下“寄木張り”を専門に行う組織を築き上げていきます。形状のバラバラな木片が上手いこと組み合わさり緻密なモザイク模様を生み出していく様子は、まるで異なる個性の患者たちが一体となって社会に溶け込み嵌っていく姿を象徴しているかのようです。

患者たちの演技が出色な逸品でもあります。実際に精神科病院で研修を受けた役者が患者たちに扮し、細かい仕草や表情に至るまで本物の精神病患者を再現した名演を披露しています。ちなみに、本作に登場する自閉症の男性=喋らないとされていますが、実際には自閉症でも多弁な方は普通に存在します。そもそも自閉症は精神障害ではなく発達障害です。

詳細評価

物語
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