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扉をたたく人
2009年6月27日公開

扉をたたく人

THE VISITOR

1042009年6月27日公開

alb********

5.0

何というか…切ない。

率直に言わせて貰えば、切ない。誰かのために自分が出来る事には限界があって、時に否応なしに厳しい現実を突き付けられる時がある。この映画を観てそう感じた。 主人公の大学教授が、妻を亡くして心に穴が空いていたところ、“彼ら”と出会った事はまさに運命だったのだろう。最初に感じた戸惑いは、次第に幸福へと変わっていく。そして、誰かのために尽くせる事を必死で追い求めていく。 常に厳戒態勢にあるニューヨーク、規模を広げれば世界中でもテロへの警戒が強まった現代だからこそ自分の身は自分で守らなければならない。しかし、ある国と同じ人種だから彼らばかりを警戒視するのは酷い現状だ。終盤での叫びがそれを物語っている気がする。 そういったシリアスなテーマを織り混ぜた温かい人間ドラマでありながら、ある種大人の純愛であるような気分に浸れる。ラブ・ストーリーとまでには至らないが、失いつつある女の何かを埋めようとする男のひた向きな姿が目に焼きつく。 未だに人種問題が無くならない現代、人間の在り方を改めて問う作品である。

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