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扉をたたく人 (2007)

THE VISITOR

監督
トム・マッカーシー
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4.01 / 評価:364件

『我々は…なんて無力なんだ!』

  • fg9******** さん
  • 2017年4月18日 15時11分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

 …リアルタイムで観たような気がするが、全く覚えていないので自分の映画備忘録を見たら次のように書いてあった。
 『リチャード・ジェンキンスがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた作品だ。
 妻との死別以降、心の扉を閉ざしていた主人公が、突然の訪問者(The Visitor)との交流によって、再び心の扉が開いていく、といったとても静かに流れる上質の映画だった。
 ジェンキンスの演技もさることながら、お母さん役(シリアの花嫁のお母さん)のヒアム・アッバスの演技もとても素敵だった(眼の表情だけでも全てを語っているような…)。
 印象的なシーンは、船上から見上げる「自由の女神」のところだ。
 後にして思えば、これは「不自由の女神」であったのか?☆四つ』
 『これは「不自由の女神」であったのか?』の意味が全く解からないので再見してみた。
 …あらすじは、解説のとおり。
 コネティカット州の大学で働く62歳の経済学教授ウォルター(リチャード・ジェンキンス)は妻の死後、孤独な毎日だったが、NYにある別宅のアパートを久しぶりに訪れると、シリア出身の移民青年タレクとその恋人ゼイナブが不法滞在していた。
 ウォルターは、2人を追い出そうとしたが、彼らに同情して、しばらく部屋に住まわせことにする。
 で、タレクからジャンベ(アフリカンドラム)をたたく楽しみを教わるのだった。
 このタレクと言う男が人懐っこくてイイ奴で、そのタレクは真剣にジャンベを叩く時にはズボンを脱いでパンツ一丁で叩くのだった。
 そのタレクからウォルターがジャンベの叩き方を教わるのだが、上達していったウォルターがやはりパンツ一丁でジャンベを叩いている様子は微笑ましかったな。
 また、ある日、出向いた公園で、十数人の国籍も様々な人々が楽しそうに打楽器でリズムを刻んでいて、ウォルターもタレクから加わるように誘われるのだったが、その集団を遠巻きにしていたウォルターが、次第次第に体でリズムを刻み始め、自らその集団に溶け込んで無心にジャンベを叩くシーンは爽快だったな。
 こうして、ウォルターとタレクの間にジャンベを叩くことを通じて友情のようなものが芽生えるのだった。
 で、そんなある日、タレクのウォルターへの好意が裏目に出てしまって、無賃乗車の嫌疑で逮捕されてしまうのだった。
 タレクへの嫌疑は全くの無実だったが、不法滞在者であったが故に留置所に拘留されてしまうのだった。
 ウォルターは弁護士まで雇ってタレクを自由の身にせんとするのだが、事態は一向に解決の方向に導かれず、ひたすら面会に出向いてささくれ立ったタレクの気持ちを溶きほぐすしか術はなかった。
 そんな折、タレクから音沙汰が無くなったことを心配して、母親のモーナがウォルターの前に現れる。
 話しが長くなってきたので先を急ごう。
 で、モーナがタレクのお気に入りの場所へ行ってみたいと言ったので、ウォルターとタレクの恋人ゼイナブとの三人で行った場所が、『船上から見上げる「自由の女神」』のところだった。
 これ以降、ウォルターとモーナの間に仄かな愛情が芽生え始めるのだったが、そんな矢先にタレクが強制送還されるという情報がもたされる。
 何はさておいても収監場所へ駆け付けたウォルターだったが、時既に遅し、タレクは強制送還された後だった。
 さすれば、モーナもアメリカに留まる理由はあらず、ウォルターへの思いを断ち切るようにして母国へ帰るのだった。
 心の扉を叩いて自分を生き返らせてくれた友と女性を一時に失って、ウォルターは、地下鉄のプラットホームで渾身の思いを込めてジャンベを叩き捲くるのだった。
 ウォルターの『我々は…なんて無力なんだ!』という魂の叫びが、いつまでも胸に刻まれる佳作だった。
 本作は2007年の作品であるが、「自由の女神」に象徴される自由の国・アメリカは、2001.9.11のアメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカン・ドリーム求めて移住する者たちへの門戸を閉ざしてしまったのかも知れない(特に中東系)。
 そんな意味を込めて、かつては「不自由の女神」と書いたのだろう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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