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扉をたたく人
2009年6月27日公開

扉をたたく人

THE VISITOR

1042009年6月27日公開

kih********

5.0

扉をたたく人とジャンベをたたく人の合奏。

 昨日、羽目を外す爺さんたちの『ラストベガス』を見た後、これは一転して随分と渋い老人の話。同じアメリカなのに、こうも違う。『…ベガス』のようなノー天気も居れば、生真面目な知識人も居る。ラスベガスもアメリカ的だし、移民の不法滞在もアメリカ的。歴史は浅いのに、とにかくでっかい。  原題が『THE VISITOR』。その visitor を追って見ているうちに、楽器ジャンベに目が入る。やがて移民についての社会問題がクローズアップされる。これは社会派映画か。しかしそうとも言い切れない。結局のところ、二人(三人?)の visitors に戸惑う老教授の物語だったのだ。  奥さんを亡くしてすっかり元気がない退職間際の先生。Visitors との関わりによって、自分の仕事は何だったのか、などと自分自身を顧みることになってしまった。今から何を求めて生きて行くのだろう。ピアノは駄目だし、奥さんは居ないし、visitors は皆去ってしまうし。まさかラスベガスで弾けるようなタイプではないし。これは辛い。「扉をたたく人」じゃなくて、「ジャンベを叩く人」になる? それもいいんじゃないか? 今度は自分が扉をたたく visitor になって、本気になれるものを見出せばいいんだ。 (私は彼より何歳か年長だけど、退職後は畑で野菜作りを楽しんでいる。毎日3人の孫たちがやって来る。可愛い visitors だ。元気をもらっている。)

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