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クヒオ大佐 (2009)

監督
吉田大八
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3.09 / 評価:847件

解説

吉田和正原作の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」を映画化した、型破りな人間ドラマ。日本人でありながら西洋人のような容ぼうを生かし、自分はアメリカ空軍のパイロットなどと偽って女性たちから約1億円を巻き上げた実在の結婚詐欺師の真の姿に迫る。どこか憎めない詐欺師役に『南極料理人』の堺雅人。彼に無償の愛をささげる女性を『余命』の松雪泰子らが熱演する。付け鼻をして、何とも不思議な主人公に成り切った堺と3人の女性たちの物語に夢中になる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1990年代初頭、クヒオ(堺雅人)は、自分はアメリカ軍特殊部隊のパイロットで、エリザベス女王とも血縁関係にあたるなどと吹聴し、次々と女性たちをだましていた。だが、実際彼は純粋な日本人で、華麗な経歴もすべて自ら作り出したものだった。弁当店を営むしのぶ(松雪泰子)も彼の立派な軍服姿にころりとだまされ、懸命にクヒオに尽くすが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2009「クヒオ大佐」製作委員会
(C)2009「クヒオ大佐」製作委員会

「クヒオ大佐」コンプレックスに囚われたクヒオの必死さがおかしい

 英語も話せない純日本男が、米軍パイロットの制服と怪しげなカタコト日本語だけでアメリカ人に化けて、女を騙すなんて、あり得ない。クヒオ大佐結婚詐欺事件を昔ニュースで聞いて感じた疑問に、吉田大八監督はスコーンと答を出してくれた。

 海外旅行が今ほどポピュラーではなかったちょっと前の時代。騙される側の心理には、大国、先進国のアメリカに憧れと負い目を感じる複雑な感情があるというのだ。確かに、アメリカ人と交際しているだけで優越感をくすぐられるなんてことは、誰にでもあるかもしれない。そんなアメリカ・コンプレックスの上に危うく成り立っている騙し合いという切り口が、まず面白い。コンプレックスのない被害者の弟が、電話1本でクヒオの正体を見破るシークエンスにその状況が鮮やかに出ている。そしてクヒオ自身が誰よりもそのコンプレックスに囚われているとしたことで、人間ドラマとしての面白さも出た。現実の自分から最も遠い存在であるアメリカ軍人になることで、彼は辛い過去を否定し、理想の自分になろうとしたのではないか。うら寂しいアパートに帰って1人になってもアメリカ人姿勢を崩さない彼に、その必死の思いを感じて可哀想になり、同時に笑ってしまった。軍人をアピールして突然腕立て伏せを始めたり、騙す相手の車を追って全力疾走、息も絶え絶えになったり。本人が必死になればなるほど、おかしさがアップする演出が小気味いい。(森山京子)

映画.com(外部リンク)

2009年10月15日 更新

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