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サヨナライツカ
2010年1月23日公開

サヨナライツカ

R15+1342010年1月23日公開

mrr********

5.0

どうにもならない切なさが伝わる映画

公開後12年経った今、Amazonプライムで視聴した。 男女が惹かれ合うこと、愛し合うことに理由なんてない。頭で考えたって自分自身にも理解できない何かに支配されてしまう。倫理ではだめだと解っていても、心が求めてしまう。 一見、ストーリーに大きな山もなく、静かな単調な映画に見えるが、その、どうにもならない切なさが、その静かな中に出ていたと思う。突き動かされるどうにもならない感情が痛いほどわかる。 酷評されている方は、たぶんそういう切ない愛が理解できていないのだろう。理解できないと言うより、こういう恋愛を知らないのかもしれない。  半世紀を生きてきた私自身を振り返ると、結婚、出産、仕事、普通の家庭で大きな災いもなく生活を持てたことに何も不満はない。 しかし、それは突然やってきた。自分がこんなことになるとは想像もしていなかった。 お互いに家庭を壊す気はないのだが、私は時々想像する。私が別れたらあの人も別れてくれるだろうか、と。 そしてもうひとりの自分がこう言う。いや、それはやめたほうがいい。このままでも充分幸せなのではないか。わざわざ浪風立てる必要があるのかと。 何かを変える勇気もないのだから、世間で言う倫理と湧き上がる自分の感情の狭間で折り合いを付けながら生きて行くしかないのだが、この映画を観て少しだけ私が変わった。残りの人生はあとどれくらいあるのかわからない、死ぬときに後悔したくないから自分の気持ちに嘘をつかず生きて行った方がもいいのかもしれないと。 形はどうであれ愛を貫くことも有りかもしれない。

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