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ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (2009)

監督
佐藤祐市
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3.43 / 評価:715件

キサラギ、キサラギと言うけれど…

  • 金平糖♪ さん
  • 2009年10月26日 10時58分
  • 閲覧数 1473
  • 役立ち度 92
    • 総合評価
    • ★★★★★

佐藤祐市監督ティーチインつき試写会にて鑑賞しました。
どうも、佐藤監督には、枕詞のように“あの、『キサラギ』の監督”というフレーズがつくようですね…。
しかし、本作は映画『守護天使』の次の作品。

その『守護天使』で沖縄国際映画祭に参加した際、主役のカンニング竹山さんの紹介で『ドロップ』の監督・品川さんと知り合い、第一印象は「すごく態度の悪い人」だつたものの、一緒にお酒を飲み、「すごくいい人」に変化。
別れ際小さい声で「今度、役者として使って下さい…」と囁かれたことが、本作の起用に繋がったとか。
本作でも、品川さん演じるリーダーは、「すごく態度の悪い人」から「いい人」に変化するのでニヤリとさせられました。

原作『守護天使』は、第2回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品でしたが、第一回受賞作は映画『カフーを待ちわびて』の原作。
本作では、偶然にも、『カフーを待ちわびて』のヒロイン・マイコさんが、本作では監督も絶賛するほどのコメディエンヌとして好演。

佐藤監督が本作を撮った動機は、井手プロデューサーから小池さん主演話が来るまで、本作の原作を知らなかったが、「タイトルが長いので引っかかった」、「小池さんはイメージからアイドルに見られがちだが、ドラマでも仕事をしたことがあり演技力もついてきて成長著しい」ので、「やりたい」と思われたそうです。

本作は、インターネットの掲示板2ちゃんねるに書き込まれた実体験を基にした作品だそうで、作品中には「Woogle」や「Bちゃんねる」の表記、また「ガンダム」や「三国志」ファンにはツボと思われる台詞など多々あり、思わずニヤリとさせられる箇所も多数あり、少しアキバ系の香りが…?
マ男の部屋の本棚にもコミックの「三国志」がずらりと並んでいたり、ガンダムオタクの井出の席にはフィギュアが勢ぞろいしていたりと、小道具にも非常に凝っていて、楽しみながら作品を作られた感がとても伝わってきました。

構成もマ男がスクランブル交差点で倒れる衝撃的なシーンからスタートし、『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』というスレをBちゃんねるに立ち上げ、回想していくという構成も面白いと思いました。

マ男のニート時代の、監督曰く「チビマ」というCGキャラの現れ方や使い方もウマイ。
舞台が会社ということで室内劇の為、『キサラギ』の「ミキのダサいCG」と同様に、目先を変えるという意味で、「チビマ」を使ったそうです。

「チビマ」は、ラストだけ等身大になり、マ男は過去の自分としっかりと向き合い「オレはお前だった時も限界だったんだよ」と、対峙するシーンは監督と小池さんの思い入れのあるシーンだそうです。

ブラック会社とは、どんなに酷い就労環境なのかと興味深かったのですが、私には全然甘く感じてしまいました。
私が働いていた会社の方がずっとずっと酷かったので、入社一日目にして退職を考える主人公に対しては、何度も『甘い!!』って突っ込みを入れつつ見ていました。

大手の下請けの末端にいる会社ほど辛酸をなめさせられているように描かれていますが、例え大手であっても、組織に属する限りサラリーマンの置かれている立場はどこも大差ないと思います。
本作の公式サイトには、「ブラック会社度チェック」なるものがありますが、ほとんどの会社がブラック会社になってしまうのでは?

マ男は八年間も引きこもっていたため、まずは人間関係を築き始めなければならないという乗り越えなければならない対人関係という壁がありました。
私は、働くということは、沢山の壁にぶつかりながら、出会った人たちのお力を借り、自分の居場所を作っていくものだと思っています。
まさに、マ男が壁を乗り超え、人の力を借り、社会人として歩み出す様を小池さんは熱演されていました。

濃いキャラに、コメディータッチの笑えるシーンを盛り込んだアップテンポの作品。
しかし、コミカルなシーンを連続させていくと、何故か淋しく虚しくなるものなのだと、しみじみ思いました。

エンドロール後にお楽しみがあるので、最後まで席を立たない方がいいですよ♪

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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