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アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン (2009)

I COME WITH THE RAIN

監督
トラン・アン・ユン
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2.73 / 評価:467件

解説

『HERO』などで映画俳優としても活躍する木村拓哉が、ハリウッド俳優ジョシュ・ハートネット、韓国の大スター、イ・ビョンホンと共演したサスペンス超大作。キムタク演じる他人の傷や痛みを自分の体に引き受ける特殊能力を持つ男をめぐり、香港マフィアも巻き込む壮絶な逃走劇がアメリカ、フィリピン、香港をまたぐ壮大なスケールで展開する。監督は、『青いパパイヤの香り』『夏至』のトラン・アン・ユン。製作には『バベル』の製作陣があたり、音楽をレディオヘッドが担当している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

他人の痛みを身代わりとなって引き受ける特殊能力を持つ男シタオ(木村拓哉)が失踪(しっそう)。元刑事の探偵クライン(ジョシュ・ハートネット)は彼の行方を追って、ロサンゼルスからフィリピン、そして香港へとたどり着く。そこでシタオがある女性リリ(トラン・ヌー・イェン・ケー)と一緒にいて、彼女を愛する香港マフィアのボス、ス・ドンポ(イ・ビョンホン)もシタオを探していることが判明する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)Lam Duc Hien, Photographer
(C)Lam Duc Hien, Photographer

「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」トラン・アン・ユンが3人のスターを使って試みた泥だらけの実験

 皮膚に細かく張り付く湿気、濃い緑が表情に落とす光と影。トラン・アン・ユン独特のエキゾチックで色気のある世界観に木村拓哉、イ・ビョンホン、ジョシュ・ハートネットらが美しく染まるのを想像した人は多いだろう。製作側もこの組み合わせに、芸術映画に商業的価値がつくことを期待したに違いない。しかしこの期待は見事裏切られる。彼はスターを使ってきれいなパッケージ商品を作り上げるのではなく、一緒に何かを見出そうと、泥だらけの実験を試みたのだ。

 男たちは苦痛にのたうち回っている。木村拓哉は肉体的に、イ・ビョンホンは愛のために、ジョシュ・ハートネットは罪のために。探偵ミステリーの裏にあるのは、苦しみから逃れるため癒しを求め赦しを請う、人間と宗教の永遠の関係だ。そして問いかける、苦しみこそが人間を人間たらしめる最も尊いものではないのか、と。

 監督は結論を撮影現場に託したのか、脚本は未完成に思える。それゆえ時に迷いが見られるものの、その投げかけに俳優たちが熱演で応え、謎めいた話をうまく引っ張っていく。また、探偵がシタオという肉体を捜すミステリーは時間的に前へ進む一方、探偵のトラウマを巡るミステリーは後ろに向かって進み、逆方向に同時進行する2つ(未来と過去、肉体と精神)の旅の果てに同じ答えがあるというアイデアは実にエキサイティングだ。ここにキリスト教のモチーフとハードボイルドの世界観が見事一体化すればスゴイ作品になったところだが、監督は実験の迷宮から、脱出できなかったようである。(木村満里子)

映画.com(外部リンク)

2009年6月4日 更新

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