引き出しの中の犬

A DOG IN A DRAWER/KUCHE V CHEKMEDZHE

85
引き出しの中の犬
4.5

/ 2

50%
50%
0%
0%
0%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

悲しい25.0%かわいい25.0%コミカル25.0%切ない25.0%

  • mih********

    5.0

    話の通じない世代

    この世には話の通じない世代がいる。 言葉も分かるし、友達もいるし、 一人でたいていの事ができる 『初めてのお使い適齢期』の子供たちだ。 この世代の子どもはかろうじて分かる程度の 貧弱な語彙を駆使して一方的に自分の意見を話し、 こちらからの質問の意味を理解せずあらぬ回答をよこす、 話の通じない、 3~6歳というのは人間と猿の間ぐらいの生き物だ。 さて、 話は変わるが「犬映画」である。 世の犬映画には一律に心に傷があり 苛められている10歳くらいの子供が、親の反対を押し切り犬を飼い、 友情を深め合っていくものである。 重要なポイントは、ラッシーやジョリーやスキップのように 超ずば抜けて忠実で利口な犬であることだ。 そのうち子どもは大きくなって、 都会の良い大学を出て作家か医者か飼育員になるのである。 もちろんある程度のところで犬が静かに息を引き取り、 大きくなった少年は改めて犬の大切さを知ってそれを本に書く・・・。 コレが私の犬映画に対するイメージ。 で、 私が今回東京フィルムセンターでやってた ブルガリア映画特集で見てきた今作。 一応犬映画です。 が、あらゆる犬映画からそれています。 まず子供が5歳くらい。 5歳くらいってのは馬鹿というわけではないが馬鹿である。 これまた馬鹿な小学校低学年の友達とともに 考えも無く怪しげな男から薄汚い犬を二束三文で買う。 その犬「ロシコ」というのがとんでもない駄犬なの。 夜通しほえるは、壁を傷だらけにするは、 家に乱入してきて夕食を台無しにするし、脱走する。 私は犬嫌いなのだが、コレはいやな犬だ。 友人宅を転々としたあと、 結局5歳の子どもの家に戻ってくる。 両親が離婚しているためずっとテレビを見ている 子どもは薄汚い犬でもいとおしく感じるようになる。 犬映画の掟である『心に傷のある子ども』と、『犬との友情』はクリア。 しかし、 親父の仕事場に犬を連れて乱入したが最後、 犬は南部のおじいさんの家に連れて行かれてしまったのである! 一番の見せ場到来!! ここで普通犬映画だと子どもが つれて帰られるときに犬がダッシュで追いかけ ライフ・イズ・ビューティフル張りに抱き合い、 そのシーンに胸打たれた両親は犬を飼うことを許可し関係も修復、 「みんなこのこのおかげさ!」 とか何とかいっちゃって幸せが戻ってくる・・・ んなわけがありません。 犬は帰る子どもを追って車を追いかけます。 自動車道路を犬が追いかけます。 犬があわや轢かれるところを 親が情けを掛けて車に乗せてやりますが、 やっぱりおじいちゃんに預けて帰る。 子どもは犬のぬいぐるみをロシコと呼んで 一緒にテレビを見続けるのでした・・・ 実に嫌な、 そして始めて見たアン・ハッピーエンドな犬映画だ! しかし、リアルな犬映画だともいえる。 第一、 親が買い与えてくれる犬ならまだしも、 出所不明の野良犬を子供が連れて帰ってきたら 即捨てるのが当たり前といえば当たり前である。 私だって捨てる。 しかし、 隠れて何日も育ててきた犬をいきなり預けてしまうというとなると、 それを唯一心のよりどころにしてきた子供が不憫である。 ただし、 この子は実は犬を生き物として、 同列な間柄のいとおしさを持っていないのである。 犬をおもちゃのようにしか考えていなかったのだ!! NO~!!犬映画にあるまじき暴挙!!! ただ、ここもリアリティーであるといえよう。 そもそも5歳程度の子どもにおもちゃに湧く愛着以上の愛情が生まれるとも思えんし、 生まれていたとしたら気味が悪い。 独特の味わいがある悲しい映画です。 是非見てもらいたいところなのですが、 残念な事にこの作品はDVDにもVHSにもなっていないのです!! またいつかフィルムセンターでやったときには是非見てください!! 一見の価値はあるのですが・・・残念!

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


基本情報


タイトル
引き出しの中の犬

原題
A DOG IN A DRAWER/KUCHE V CHEKMEDZHE

上映時間

製作国
ブルガリア

製作年度

公開日
-

ジャンル