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シャネル&ストラヴィンスキー
2010年1月16日公開

シャネル&ストラヴィンスキー

COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY

R18+1192010年1月16日公開

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4.0

素敵だけど…終盤が惜しまれる

才能とは、個人の魅力の何割を占めるのか。 才能に惚れると、その人自身をも恋するものなのか。 シャネル&ストラヴィンスキー。 お互いの才能を愛し、その才能の持ち主を愛した二人。 激しい恋愛がもたらす芸術的高み。 美しい映像と主演の二人の存在感。 全面協力したシャネルの衣装の素晴らしさは勿論の事、 着こなすアナ・ムグラリスが最高に素敵。 シャネルのミューズだから当然ではありますが… でもね…何だか消化不良。 ここの評価が☆4.42(3月11日現在) まだ皆さんのレビューを読んでないけど、そこまで良かったかな~ 確かに、「ココ・アヴァン・シャネル」「ココ・シャネル」よりも 「シャネルを観た」って気持ちにはなれるけど。 たぶん終わり方が良くないんだと思う。 中盤までは格調高く芸術的で素晴らしかったのに、 「春の祭典」再演の場面からは急に失速する。 その唐突さが「あれ?これで終わり??」って感想を生むのだと思う。 結構、終わり方って大切ですよね。 その穴埋めのようなエンドロール後の映像。 未見の方は、エンドロールが始まっても席を立たれないように。 さすがシャネル!といった万華鏡のような美しい背景のエンドロールの後、 映像が流れますから。 ここからは映画の内容に触れるので、未見の方は気を付けてください。 あまりにも斬新な故に酷評に終わった「春の祭典」を観て、 ストラヴィンスキーの才能に興味(あるいは共感)を持つシャネル。 (凡人の私には騒ぎ出す観客の気持ちが理解出来ましたが) 数年後、ロシア革命から亡命したストラヴィンスキーのパトロンとなるシャネル。 別荘にストラヴィンスキーの家族共々招き入れ、ほどなく愛人関係となる。 妻も子も同居する中、人目を盗んでは抱き合う二人。 全裸で抱き合うシーンより着衣のシーンの方が扇情的なのは、アナ・ムグラリスの胸が驚くほど小さいからか… 全裸がなければR15指定くらいで済んだんじゃないかと思うと、もったいない気がする。 二人の関係に堪え切れなくなった妻が、去り際にシャネルに宛てた置き手紙が凄い。 彼女の生き方に一石を投じる効果的な内容だ。 お互いを高め合い、傷つけ合い、感化し合う。 シャネルは有名な香水シャネルNo.5を生み出し、ストラヴィンスキーは「春の祭典」を成功に収める。 お互いを讃え合うように見つめる二人。(ここまでは良かったんですよ) と、ここでいきなり晩年へと飛ぶ。 離れた場所で、お互いを想い出す二人。 そしてエンドロール後の映像。 事故死した最愛の人・カペルとシャネルが映る。 テーブルにはストラヴィンスキーの写真。 シャネルが初めてストラヴィンスキーと抱き合った時、彼の部屋へ行く前にカペルの写真を伏せていた。 これらの映像は、生涯一人の男性(カペル)しか愛さなかったと言われるシャネルが、カペルと同じようにストラヴィンスキーを愛していたと云う示唆だと思う。 不倫をしていたけど、本当に愛し合っていたんですよ…って感じが言い分けがましくて腑に落ちない。 恋多き女シャネル。 カペルにしたって事故死しなければ、いつかは終わっていた恋かも知れない。 女性を解放した印象が強いけど、それは服装に関しての事。 実は男性に依存していたように思われるシャネル。 恋は(男は)インスピレーシュンを与えてくれる道具!くらいの描き方の方が颯爽としてかっこいいんじゃないかな。 晩年のシーンは蛇足ってことで減点1つ。

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