ここから本文です

シャネル&ストラヴィンスキー (2009)

COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY

監督
ヤン・クーネン
  • みたいムービー 168
  • みたログ 383

3.93 / 評価:206件

解説

『ドーベルマン』のヤン・クーネン監督が、ココ・シャネルとストラヴィンスキーの秘められた恋を描いた人間ドラマ。有名なデザイナーと天才作曲家の至高の愛を、素晴らしい調度品とともに見せる。世紀の恋人同士を演じるのは、『そして、デブノーの森へ』のアナ・ムグラリスと、『アフター・ウェディング』のマッツ・ミケルセン。シャネルのミューズとしても活躍するアナが劇中で着用する、本物のシャネルの衣装や装飾品にため息が出る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1913年のパリで、ストラヴィンスキー(マッツ・ミケルセン)の新作である春の祭典が初日を迎える。だが、観客はそのあまりにも斬新な内容についていけず、激しいブーイングが起きる。その7年後、デザイナーとして成功したシャネル(アナ・ムグラリス)は、ストラヴィンスキーの才能にほれ込み、自分の別荘に彼とその家族を滞在させる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「シャネル&ストラヴィンスキー」大胆だが真摯な姿勢に脱帽の王道バイオグラフィー

 先行のシャネル映画2本がどちらも当たり障りのない事実を配列した凡庸な偉人伝だったのに対して、「シャネル&ストラヴィンスキー」は大胆不敵。シャネルの全体像ではなく、ストラビンスキーとの愛憎劇にのみフォーカスすることで、返って観客のイマジネーションを掻き立て、結果的に、シャネルという人間の本質を垣間見たような錯覚に陥らせるのだ。これって、バイオグラフィー映画の王道ではないだろうか?

 何しろ、事実として記録されているのは、すでにデザイナーとしての地位を確立していたシャネルが、前衛舞踏曲“春の祭典”を否定されて落ち込むストラビンスキーに、資金面だけでなく自宅を彼と家族に提供した、ということだけ。そこから、映画は分野こそ違え同じ革命家の匂いを相手から嗅ぎ取った(であろう)シャネルが、家族が暮らす隣室で幾度も肉体関係を持った(であろう)後に、世間的な常識に屈して別れを切り出した(であろう)ストラビンスキーに見切りをつけるまでの経緯を、さながら家政婦目線で描写。しかし、「お前は見たんか?」と突っ込む気にはなれない。なぜなら、すべての出来事がシャネルの遺した偉大な足跡や革新的な価値観から1ミリも逸脱していないから。

 シャネル社のアーカイブに眠っていた珍しいスカーフカラーのスーツや、服と同じ黒白で統一されたアールデコ調のインテリア等、空想を補って余りある本物の衣装と克明に再現された美術も、偉人に対する敬意の表れ。それも含めて作り手の大胆だが真摯な姿勢に脱帽の1作だ。(清藤秀人)

映画.com(外部リンク)

2010年1月14日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ