あらすじ・解説
1909年、石川県に生まれた鶴彬、本名喜多一児は15歳頃から川柳を作り始める。21歳で金沢歩兵第7連隊に入営した彼は4年間の軍隊生活を送る中、反戦活動をした罪で2年間服役、1937年に治安維持法違反で逮捕され翌年29歳で獄死。時代が戦争へと突き進んでいく中、弱き者を見捨てるなと叫び続け、反戦を貫き通した鶴彬の生きざまに迫る。
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作品レビュー(2件)
- yla********
4.0点
取調室や病室のシーンになると、劇場の舞台みたいに、バックが真っ黒になる。せめて、ドラマのセットを借りるとかできなかったのでしょうか。予算がなかったんでしょうけどねぇ、もうちょっと、なんとかならなかったのでしょうか。 ただ、主人公、脇役の役者さんたちは熱演。生誕100周年に合わせたのでしょうが、海外派兵継続が議論されている現在、上映された意義はあるでしょう。 経済評論家の佐高信さんが著書の中で紹介されていて、鶴彬氏の川柳はいくつか読んではいましたが、胸にこたえました。ちょっと暗いけど、能登の海の淋しげな映像と相まって、よい映画だと思います。
- pin********
3.0点
鶴彬という川柳作家については、名前といくつかの川柳作品だけは知っていました。 ただし、その生涯についてはほとんど知りませんでした。 川柳作家、それも反戦川柳などという、特殊で地味な人物に焦点を当てて映画を作るということ自体は、意義のある事なのかもしれません。 ただし、意義があるから良い映画かというと、必ずしもそうではないようです。 ドラマとして見たときに、主人公の何をドラマの中心としているのかが見えてこなかったのです。 これは以前『日本の青空』を見たときにも感じたことです。 さしたるドラマ性を持たない人物を主人公に据えたときには、主人公と社会との切り結び方、もしくは主人公の苦悩を、いかに目に見えるものとして描くかが焦点だと思うのですが、その焦点が定まっていないようなのです。 国家権力・官憲との戦いを描いているのか、川柳革新を描こうとしているのか、師の夫人とのほのかな愛情を描いているのか、そこが見えてこないのです。 予算も少なかったと聞きます、セミ・ドキュメンタリーとして描こうとしたと聞きます。 でも、これはどう見てもドラマです。 予算の少なさよりも、製作者側の鶴彬への思い入れの少なさが原因なのではないでしょうか。 たぶん、生誕100年にあわせようとしたのでしょう。 あわてて作ったがために、人物の掘り下げの浅いものになってしまったように思え残念です。 ただし、主演の池上リョヲマは若くして死んだ川柳作家を好演していました。 たぶん、自主上映などでしか見ることはないと思います。 それでも、鶴彬という反戦川柳作家がいたということは、多くの人に知ってもらってもいいのではないかと思います。 そう長い作品ではありませんので、自主上映などの機会があったら、覗いてみてはいかがでしょうか。
スタッフ・キャスト
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