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ゼロの焦点 (2009)

監督
犬童一心
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3.12 / 評価:1066件

解説

2009年に生誕100周年を迎える社会派ミステリーの巨匠、松本清張の同名傑作小説を映画化。結婚まもなく夫が失踪(しっそう)した妻が、その謎を追ううちに不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく様を、『グーグーだって猫である』の犬童一心監督が描き出す。『おくりびと』の広末涼子、『嫌われ松子の一生』の中谷美紀、『ぐるりのこと。』の木村多江と、今最も輝いている3人の女優が競演。さらに西島秀俊、杉本哲太、鹿賀丈史といった実力派男優陣が脇を固める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

結婚式から7日後、仕事の引き継ぎのため金沢に向かった鵜原憲一(西島秀俊)は帰ってこなかった。夫の消息を追い金沢へと旅立った妻の禎子(広末涼子)は、憲一のかつての得意先で、社長夫人の室田佐知子(中谷美紀)と受付嬢の田沼久子(木村多江)に出会う。一方、憲一の失踪(しっそう)と時を同じくして連続殺人事件が起きるが、事件の被害者はすべて憲一にかかわりのある人物だった……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2009 「ゼロの焦点」製作委員会
(C)2009 「ゼロの焦点」製作委員会

「ゼロの焦点」過去の鎖を断ち切りたい女性の悲痛な叫び

 「ゼロの焦点」は映画化が難しい小説だ。ミステリーではあるが、事件を解決するいわゆる探偵役がいないのだ。いくつかの伏線を手がかりに読者が謎を解くという構造にもなっていない。物語の担い手は夫の行方を捜す禎子だが、彼女は入手した情報をひたすら自分の中に溜めこんで、ああではないかこうではないかと想像するだけ。事件が終わった後も、犯行の具体的な手口が禎子の想像通りだったのか、裏付けもない。そんな彼女の心の声を映像にしていかなければならないのだ。

 だから犬童監督が、ミステリーよりも、3人の女性ドラマを前面に押し出したのは、この小説の映画化方法としては正解かもしれない。3人はそれぞれに不幸で悲しく、戦争によって日本の女性たちが背負わされた苦しみを象徴している。昭和32年はまだ、過去の鎖に縛られて女性が自由になりきれない時代だった。その鎖を断ち切りたいという悲痛な叫びをドラマの芯にすることで、現代にまで連なってくる女の闘いを思い起こさせてくれる。それこそ、社会派の清張が書きたかったテーマではないかと思う。

 ただし、2時間ドラマの最後の30分よろしく、禎子の想像で延々謎解きするのは芸が無さ過ぎ。広末涼子は禎子の複雑な感情を表現するには力量が足りず、中谷美紀はオーバー・アクション。木村多江だけが役柄通りの哀れさで泣かせてくれる。(森山京子)

映画.com(外部リンク)

2009年11月19日 更新

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