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僕の初恋をキミに捧ぐ
2009年10月24日公開

僕の初恋をキミに捧ぐ

1222009年10月24日公開

yan********

3.0

ネタバレ「私の初恋をキミに捧ぐ」

「私の初恋をキミに捧ぐ」というのが正しいタイトルではないのか、それが観終わった後の感想です。 主演の二人だけでなく、子役、特に熊田聖亜さんの子役とは思えない熱のこもった演技には心打たれました。また、脇を固めるベテラン勢の皆様にも引き付けられ、作品の世界に浸ることができました。途中、グッと来る場面も複数ありました。 それが、最後の最後にありえない展開。私は原作を読んでいませんでしたが、あとから原作を知って驚愕しました。原作はこんなおかしな終わり方は全くしていないからです。原作至上主義じゃないですが、流石にこの映画はおかしいです。それはそうでしょう。これは、これはないです。骨壺という大切なものを屋外であんな風に扱うなんてありえないし、それを持って二人だけの結婚式をあげる。新郎は骨壺の中の遺骨だなんて...。見ようによっては、とても、とても怖い映像ですよね。また、そもそも逞の両親は出席していないわけで、じゃあ、なんと言って骨壺を借りて、逞の両親はどう思って貸し出したのでしょうか。理由に納得したなら列席するでしょうし、納得しないなら貸すはずがない。これは大切な息子の遺骨ですよ。あまりにありえないシチュエーションに、一気に現実に引き戻されました。すっかり興ざめしてしまいました。このシーンには全く同意できないし、同意できない以上、感動なんて全くできません。だってそうでしょう。繭はこの世にいない人と結婚式をしてしまったわけです。こんなことしたら、繭はこの先他の誰とも結婚はおろか恋愛さえできるはずがない。とんでもない十字架を背負ったことになります。そんな娘の式に列席した父親の気持ちを考えると不憫でなりません。逞のこと考えても、彼は繭のことを思って一度は生きているうちに別れることを決意しました。そんな彼が、誰よりも愛した、そして最後の時間を過ごした繭が、自分が死んだ後、こんな悲劇としか思えない身の上になることを喜ぶはずがありません。また、不慮の事故死により亡くなった昂だって、こんな不幸な思いをする人を決して出してはならないと思っていたわけで、これでは昂の強い想いだって踏みにじっています。 誰も幸せになれない結末、これを純愛だとまとめるのは違うと思います。少なくとも原作の作者はこんなことは書いていない。原作のタイトルは「僕の初恋をキミに捧ぐ」です。でも、こんな風にエンディングを変更してしまうと、主旨が全く変わってしまって、タイトルが作品と乖離してしまっているように思います。これだと、映画は、「私の初恋をキミに捧ぐ」だと思います。死者の魂に一生を捧げ囚われる繭のこの先の人生、それを純愛だとキレイゴトで片づける展開でまとめてしまうのはどうかと思いました。

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