レビュー一覧に戻る
裸のめざめ

裸のめざめ

A L'AVENTURE

-

ごぉ

4.0

これぞ正しい仏映画の在り方。

「ひめごと」(2002)、「はじらい」(2006)と鑑賞して、ここにジャン=クロード・ブリソー監督の傑作「裸のめざめ」(2009)を観た。 男とセックスした後にオナニーする女。 満たされない彼女は、彼に対してこれっぽっちの悪気もなく告白する。 今日、カフェでひとりの男の人と出逢い、語り、その人を欲しいと思い、ホテルでセックスをした。 出逢った男はヒステリーと催眠療法を研究する精神分析医の卵。 狂言や演技とは異なるヒステリー。 頭の中の考えや、欲望、苦悩が抑制されると、身体は機能的に何ら問題ないのに、あらゆる症状を呈する状態。 脚に何も問題がないのに、トラウマを抱えていると歩けなくなる。 眼球に何も異常がないのに、潜在的に抑制された意識により、失明する。 下痢やおう吐、発熱などの症状もある。 現在では「ヒステリー」という言葉は、ほとんど用いられないようになり、解離性障害とか、身体表現性障害などと呼ばれるようになった。 仕事を辞め、恋人と別れ、友人と家族の元を離れて、 今までの人生をかなぐり捨て、新しい人生を歩み出した彼女。 彼女の母親が、ズバズバと人生の本質をアドバイスする。 「愛が人生のすべてではない  特に、男の人にとっては」 「自由な時間は、自分だけで持つもの  誰にでも秘密はある  ないフリをしてるだけ」 「結婚には社会的な束縛があるけど  一番快適な檻を選べばいい」 「みんなと違う人生を歩もうとすれば  きっと痛い目にあう」 到達し難い自由。 何かを捨てることで、何かを手に入れる。 新しい人生に、彼女を待ち受けているものは? 過去の知識によって無意識に、情報を整理したり事実をかき消している私たち。 だとしたら、真実とは何か? すべては僕の目に映るもの。 空も大地も、木々も、そしてアナタも。 僕の頭の中だけにしか、存在しない。 それこそが真実。 GyaO !

閲覧数1,233