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私の中のあなた (2009)

MY SISTER'S KEEPER

監督
ニック・カサヴェテス
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  • みたログ 4,794

4.09 / 評価:2022件

この想い、あなたなら家族の誰に言うだろう

  • すみちん さん
  • 2009年9月25日 13時50分
  • 閲覧数 1750
  • 役立ち度 231
    • 総合評価
    • ★★★★★

オンライン試写会にて。
家でティッシュ片手に存分に泣きました。

映像も音楽も素敵だったし、
何よりこれだけ家族の葛藤(役者の熱演)が
詰まった作品は、やはり劇場で再度観たい!



「私の中のあなた」

それとセットのように謳われた
「ドナー」「臓器移植」の文字。


確かに、観賞後は、
「うん、私の中にあなたが…ねっ(涙」
と心晴れやかな気分になります。

しかしながら、邦題と宣伝から想像していた話とは、
ちょっと違うものでした。
もっと医療裁判や姉妹の交流が中心かと。

でも、結果「いい意味で裏切られた!」。





白血病のケイト。
彼女を救うために、遺伝子操作によって適合ドナーとして作られた妹・アナ。

字だけで読むと、まるでSFの世界のよう…。
しかし、現代医療の進歩は目覚ましいものです。

作品の中の医師曰く「あまり公にはできないけれど…」の方法。
それほど、倫理的には「NG」が付きまとうことです。
人間の意志のみで、命を…?
序盤から非常に考えさせられました。





この作品、家族5人が交互にナレーションを担当します。
また、交互の目線で、時間軸を行ったり来たりもします。

こういう手法を「落ち着かない」「紛らわしい」など感じる方もいるかも。
しかし、監督としては、

「大切なアルバムのように見て欲しい」

と思ったのではないでしょうか。



作品の中にも、「アルバム」が出てきます。
大切な、大好きなアルバムって、何度もページを行ったりきたり見返しますよね。
私、この作品にも、それを感じるんです。

過去の挿話の数々に、ケイトの、アナの、そして家族の想いが詰まっている。
輝いていた日、涙に暮れた日、激怒した日、そして、みんなで笑った日…

観客も、一緒になって、ページを捲っては、また戻し、また捲り…
そして、まだまだ永遠に続く家族のアルバムを一緒に観るような感じ。





また、秀逸だったのが母親サラ(キャメロン・ディアス)の描き方。

「悪役」「観客からすると不快な人物」
というのは、良心的な人物描くよりも、センスがいると思います。

特にこういった「自分の意志をまげない母親」ともなれば、
観客も「なんでー?!」と思うと共に、作品の中の娘たちが
どんどん追いやられていき、つらさが倍増。



しかし、監督、上手いなぁ~と思ったのは、
「あきらめることをしない母親」であることを、他の人物の言葉を借りて描写。
彼女の心の苦しさもさりげなく挿入しています。

サラが実の妹と語るシーンは、短いながらも
「あきらめること」と「受け入れること」の意味を考えさせられました。



それに、サラは、元弁護士。
ケイトの病気をきっかけにキャリアも捨てた訳ですが、
弁護士として闘ってきたサラにしてみれば、

「あきらめないことが勝つ道」であり、「やりぬくことがプライド」
だったのかもしれませんね。
それが「母親」に戻っても、そのスイッチが切れることがなかったのかも。



でも、「この母親、覚悟を決めたらすごい!」と驚く場面も。

ケイトが「私を見て、皆、笑うのよ!」と言えば、ああいった行動にも。
きつい母親だけど、でも、本当に真っすぐで子供のことにはなりふり構わず。
あのシーンには、芯の強い母の愛情を感じました。





でも、だからといって、「姉の二の次」にされたアナもかわいそう。
アナはケイトのことは大好きだけど、でも、自分の生きる道に
疑問を持ち続けます。

誰の体?
私のでしょ?
ママ、私も見てよ。



作品の随所で、アナの心の叫びが出てきますが、
ラストまで観ると、ある意味「どんでん返し」が。

アナが訴えたかったこと…そういうことだったの…?!
姉妹の結びつきの深さに、思わずため息がでました。

また、ケイトが言っていた家族への「たくさんのごめんなさい」。
そして、小さくも深くて熱い恋。

父や兄のささやかながらも、温かい愛情の数々。

そして、「ママヘ」。


ふぅ~っ…心に焼き付くものが多すぎて、私、倒れそ~~~
是非、この「胸が詰まって倒れそ~~」の感覚を多くの方に体験して頂きたい!




私にも妹がいますが、もし、私がケイトの立場だったら、
やはり一番先に、「あの想い」を妹に漏らすと思います。

両親でもいいんだけど…
でも、「子供がこんなこと言ったら親も悲しむ」って、
子供なりに感じるし、親に遠慮しますよね。

でも、親は「遠慮されることが寂しい」だろうし、
家族間で秘密が生まれる…って、とても扱いが難しい。


それでも、ケイトにはアナがいてくれてよかった。
きっとまた「モンタナ」で会えるよね。



「小さな胸が受け止めた愛の形」

どうぞ、皆さんの胸でも受け止めてみてくださいね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • ロマンチック
  • 勇敢
  • 切ない
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