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パリ・オペラ座のすべて
2011年10月29日公開

パリ・オペラ座のすべて

LA DANSE, LE BALLET DE L'OPE'RA DE PARIS

1602011年10月29日公開

aka********

3.0

オペラ座の「すべて」は結構長かった。

ナレーションは一切無い。 言葉として観るものが聞くのは、振り付け師がダンサーたちに語る言葉。芸術監督が振り付け師に、ダンサーたちに、または寄付をしてくれた人たちに、語る言葉。 時には全く言葉が無いままに、オペラ座の内部や外観、パリの街並、衣装や小道具をつくる人たち、受付、屋上で蜂を飼う人、壁を塗り直す人、大道具や照明さん、、、が映されてゆく。 稽古場の練習が回を重ね、衣装をつけての練習、舞台でのリハーサル、、になってゆき、舞台につながる。演目としては、古典「くるみ割り人形」や、「メディアの夢」「パキータ」「ベルナルダの家」「ジェニュス」などがとりあげられ(他にもあったかも)、それらが徐々に完成に近づく姿が淡々と映される。 はっきり言って、「くるみ割り人形」くらいしか知らなかったので、ちょっと調べてみて、自分の感想とあわせて一行くらいで演目の解説を試みてみると。。 「くるみ割り人形」 「くるみ割り人形とはつかねずみの王様」を原作とする古典バレエ。チャイコフスキー作曲。 「メディアの夢」 エウリピデスのギリシャ悲劇「王女メディア」を題材にしたバレエのようだ。激情、復讐、子殺しなど、血みどろだけどファンタスティックな感じ。 「パキータ」 ジプシーの娘パキータとフランス人将校の恋を描いたバレエ。 「ベルナルダの家」 かなり前衛的でシュールな感じ。わけわからないながらも一場面をみただけでも思わず笑ってしまう強烈さ。 「ジェニュス」 ダーウィンの進化論がベースのバレエだそう。黒いレオタードに、青白い、おそらく進化論に関連のあるモチーフが胸に描かれていいる衣装。進化のエネルギーを感じさせる動きなんだそうだ。 まさにこれは「オペラ座のすべて」、なんだろうなあ。実際説明一切無しの、3時間弱は、長い。途中で意識が違うほうに飛んじゃったり。「くるみ割り人形」の舞台あたりで、クライマックスかな?と思ったらそこからまだ延々とあったからな(笑)。でも演目を削ったら「すべて」じゃなくなっちゃうのかな。 それにしても、それでも、踊る人というのは、どうしてこうも、心を揺さぶり、感動を呼び起こすのだろうか。命を削って練習しているからなのだろうか。あの研ぎすまされた筋肉。芸術監督は聡明で統率力がある女性。ダンサーを例えて曰く、「レーシングカーであり、レーサー」だと。つまり鍛えられた身体と強い精神力の両輪が必要。 かつては優秀なダンサーたちであったろう、振り付け師たちもまたそれぞれに個性的でみていて楽しい。殆ど言葉はなく、一緒に踊って体で示すもの、哲学的言葉で語るもの、感極まって(?)一緒に音楽を歌っているもの、男女ペアでの指導なのだがお互いに意見が食い違ってダンサーが困惑してしまう場面など、思わず笑ってしまう。 ちなみに、年齢的に、わたしのダンサー生命は終わっているのね!と思った。いや、始まってもいないのですが(笑

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