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パリ・オペラ座のすべて (2009)

LA DANSE, LE BALLET DE L'OPE'RA DE PARIS

監督
フレデリック・ワイズマン
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3.42 / 評価:45件

頭で理解できない事を身体で表現すること

  • debbyharry555 さん
  • 2010年8月19日 9時15分
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

全体を通じて一貫しているのはバレエ・ダンサーたちではなく、パリ・オペラ座があくまでも主体だということです。ダンサー個人の苦悩などといったインタビューは一切排除されており、ストイックなまでに完璧を追及しようとするレッスン風景やオペラ座をまとめる幹部関係者たちの姿が描かれています。

劇場での完成されたバレエがこのように作られていくのかといった視点で見るととても面白いです。コンテンポラリーな表現が多く出てきますが、若くエネルギーに満ちた若いダンサーにとって頭で理解できない事を身体で表現するのはとても難しい事だと思います。逆に精神的には円熟していても身体が思うように動かなくなってきているダンサーにも同じジレンマがあるかと思いますが。とにかく選りすぐりの一流ダンサーたちの動きの正確さ、振付師の指示をすばやく組み入れる集中力には驚かされます。

ダンサーとしての年齢はとうに過ぎていると思われる振付師たちも、口頭だけの指示では上手く伝わらないと思ってか、見本を踊ってみせるんですが、これがまた並の高齢者とは思えない凄い動きをするんです。現場に立つ高齢者はその世界ではもはや高齢者ではないという事だと思わされました。

個人的にはモダン(ときどきクラッシック)を好んで鑑賞していますが、コンテンポラリーは見る側からしても難解です。時にショッキングだったり斬新さに溢れていますが、企画側もリスクを覚悟してプログラムに取り込んでいるあたりにビジネスとしての経営手腕が匂わされます。一流のスポーツ・カーを時速10キロで走る事の無意味さをオペラ座の売れっ子ダンサーを起用するたとえで語っていた(なぜその子をこの踊りで起用しないとならないのかという議論)運営者の話が印象的でした。

普段見ることの出来ない、ダンサーたちの完成されたフォームによる練習風景や振付師の指示の出し方など目を奪われるようなシーンもある中、時々間延び感もあり160分は若干長すぎに感じましたが、バレエ好き、ダンス好き、アート好き、表現好きな方には一見の価値があると思います。

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