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インフォーマント! (2009)

THE INFORMANT!

監督
スティーヴン・ソダーバーグ
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2.90 / 評価:211件

解説

自社内の不正を内部告発した男の運命と、彼の供述に基づいて捜査するFBIの奔走を描くダーク・コメディー。『オーシャンズ』シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ監督が、アメリカ経済史上最も地位が高い内部告発者の実話を映像化。告発することで自己を英雄視し、スパイ気取りで証拠を探す主人公を、マット・デイモンが熱演。見切り発車で捜査を始めた当局の混乱と、事実と空想が混在した証言を繰り返す男の深層心理に注目。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アメリカの大手穀物商社に勤めるマーク・ウィテカー(マット・デイモン)は将来を嘱望された優秀な社員だったが、会社が国際価格カルテルを結んでいると内部告発する。告発を受けたFBIは捜査を開始してマーク・ウィテカーに物証を迫るものの、重要証人である彼は供述を二転三転させ、立件自体が困難になっていく。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
(C)2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

「インフォーマント!」ソダーバーグが怒りつつ笑っている。スリラーとコメディの不思議な融合

 全米でもトップ50に入る大企業がある。ADMという大豆関連の食品会社だ。そのADMで役員をしているマーク・ウィテカー(マット・デイモン)なる男が、会社が国際的価格談合に走っている事実をつかむ。マークはFBIに密告する。みずから捜査の手先を志願し、胸に隠しマイクをつける。

 この流れで行けば、「インフォーマント!」は企業スリラーになるはずだ。「インサイダー」や「エリン・ブロコビッチ」に通じる内部告発ドラマの趣を呈するかもしれない。が、マークの様子がおかしい。映画のナレーションも彼がつとめているのだが、語りと画面にどこかちぐはぐなところがある。

 そこで耳をすますと、監督スティーブン・ソダーバーグの含み笑いが聞こえてくる。

 そもそも、よく見るとマークは無能だ。マークにチクられる会社も無能で、マークを操っているはずのFBIも無能だ。ここが、映画のキーといえる。野暮で無能な人々が右往左往すれば、映画は必然的にコメディの匂いを帯びる。ソダーバーグも、そこが映画の急所になることを十分に自覚している。スリラーとは不似合いなマービン・ハムリッシュの音楽が話のサワリで鳴り響くのはその証明だろう。「追憶」や「スティング」で知られるベテラン作曲家のキッチュな味が、この映画には意図的に移植されている。

 つまり、ソダーバーグは怒りつつ笑っている。企業の不正を告発しつつ、獅子身中の虫ともいうべきマークの奇怪な言動を舌なめずりするように撮っている。私としてはもう少しコメディの側に足を踏み入れてほしかったが、欲は申すまい。体重を15キロ増やし、毛皮の敷物のようなカツラをかぶったデイモンの姿は、かなり鮮明に観客の記憶に残るはずだ。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2009年12月3日 更新

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