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ファッションが教えてくれること (2009)

THE SEPTEMBER ISSUE

監督
R・J・カトラー
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  • みたログ 531

3.57 / 評価:178件

何度も見ました。グレイスに魅了されます

  • aad***** さん
  • 2018年9月19日 1時41分
  • 閲覧数 469
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

アメリカ版「ヴォーグ」誌のカリスマ編集長アナ・ウィンターのドキュメンタリーです。
こういう舞台裏の話が好きなので観に行ったのですが、魅了されたのは、アナではなく、もう一人の主役というべき彼女の右腕、クリエイティブ・ディレクター兼スタイリスト、グレイス・コディントンです。

元モデルで、自宅には若かりし頃の美しい写真が飾ってあります。ナルシズムというより、元気の元なのかもしれません。交通事故がきっかけでモデルを辞めたあと、エディターに転身した人です。

映画では、アナが、ヴォーグにおいては神であることが描かれています。彼女と意見の相違があれば、グレイスも逆らえません。編集中のページのサンプルが並べられた部屋があるのですが、その並びから外されることはボツを意味します。苦労して撮ったページを、無慈悲にボツにするアナに、キレかかるシーンもあります。

その、ボツにされたページも含め、グレイスのアーティスティックなセンスは生半可なものではありません。純粋なファインアートではなく、ファッションという別の要素が前提にあり、モデルやカメラマンに指示してイメージ通りの写真に仕上げます。それぞれの写真にはっきりとしたイメージとテイストがあり、映画の映像を通しても魅了されてしまいます。

常にアナの「手入れ」が入ることに恐々としていなければいけない立場なので、神経が擦り切れることでしょう。

印象に残っている場面があります。ある写真で、モデルと共にカメラマンを登場させるのですが、このカメラマンが少しお腹が出ています。グレイスが編集者に、「絶対に修正をかけないで」と指示します。アナに何を言われても変えるな、と言っているのです。モデルの完璧な体型とは違う、普通の体型の人が登場するその写真は、確かにその「リアリティ」がキモだということ、修正をかけたら台無しということがわかります。ただ、それは言われてイメージしてみれば納得なのですが、それを最初から明快にイメージしているその映像感覚の鋭さには舌を巻きました。

こんなストレス満載の中で、アナに主張をしながらも、最終的には引かなければならない立場のグレイスですが、二人は互いにその実力を認め、一目置く存在です。

無慈悲にグレイスの労作をボツにしながらも、アナは彼女の実力を高く評価し、「超一流」と語ります。ある意味、自分のセンスに走るグレイスを、アナが、あくまでヴォーグ誌の編集長としての眼で、制御しているのかもしれません。

そんな二人がエレベーターの前で佇むシーンも印象的。必要な事以外、一切口をききません。この、厳しいまでにクールな仕事だけの関係、何だか、かっこいいと思いました。

私はアーティストが好きなので、グレイスに肩入れして見てしまいますが、いろいろな意味で面白い映画です。舞台裏モノが好きな人にはきっと楽しめるんじゃないでしょうか。

ちなにみグレイスは1941年生まれなので、この時点(2007年)で66歳。そして2016年にヴォーグを辞めた今でも活躍中とか。

詳細評価

物語
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音楽

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